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ベンチャー3社が登壇:横浜でビジネスプラン発表会

2021年 5月 12日

事業内容を説明するIDEAAIの小倉氏
事業内容を説明するIDEAAIの小倉氏

NPO法人ベンチャー支援機構MINERVAは5月11日、横浜市港北区のタイムシェアリング新横浜で「第227回ビジネスプラン発表会」を開いた。ベンチャー企業3社の代表者が自社の事業・製品を発表し、投資家や金融機関、大手メーカーの関係者らに資金調達や販路開拓支援などを呼びかけた。神奈川県は新型コロナウイルス感染拡大に伴う「まん延防止等重点措置」地域であり、関係者を含めて会場参加者を30人以下に制限した上で、約30人は「ズーム」によるオンラインで参加した。

IDEAAI(東京都港区)は、人工知能(AI)と画像処理技術を融合し、熟練技術者並みの目と判断技術を実現した電子部品の外観検査製品を紹介。すでに台湾最大手のフィルム基盤メーカーに納入し、導入から半年で検査員数を3分の1に削減し、良品率の向上とコストダウンを実現した。このAI技術を使ったデジタル顕微鏡も新規開発しており、小倉明宏代表取締役は「外観検査分野に加えて、橋梁やトンネルなどのインフラ点検や、製造ライン全体を効率化するスマートファクトリー分野で貢献したい」とアピールした。

北里大学発ベンチャーのPhysiologas Technologies(神奈川県相模原市)は、水を使わない在宅に特化した小型透析装置の開発に取り組む。慢性腎不全による透析患者は日本で34万人といわれ、水を大量に使って血液を浄化させるため、配管や業務用電源などの大掛かりな装置が不可欠。これに対し、同社は水を再生・循環させて配管を不要にし、家庭用電源だけで血液透析を可能にする装置を開発する。宮脇一嘉代表取締役は「2024年までに治験を終え、製品を発売したい」と述べた。

S&Kバイオファーマ(川崎市高津区)は、安全性の高い糖タンパク質であるラクトフェリンの新たな分子標的を発見し、それに対する疾患の治療薬としてラクトフェリンの医薬品開発に取り組む。まず腎機能が急速に低下する難病の急速進行性糸球体腎炎の治療薬を開発しており、加賀谷伸治代表取締役は「膨大な開発費がかかる生物製剤のため、共同研究企業や投資家の力を必要としている」と語った。