中小タスクが行く!

第22回:サブスクリプション編

2019年 12月 16日

第22回:サブスクリプション編 経営のお悩みスバッと解決 中小タスクが行く!

ライバル店に負けないために!
売上を安定させるならサブスクリプション!!

おいしいコーヒーが自慢のカフェ・ド・リップの店内。最近ライバル店が開店し、大々的な開店キャンペーンを打つなどして、カフェ・ド・リップの店長も少々焦り気味。今までクーポンの発行やフリーペーパーでの宣伝はしたものの、あまり効果は出なかった。何か手を打たないといけないなとスタッフと話していたところ、コーヒーを飲みに来ていた中小タスクが、売上安定のためにサブスクリプションを検討されてはどうかと声をかける。初めて聞くサブスクリプションという言葉に戸惑う店長。中小タスクは「サブスクリプションとは利用期間に応じて一定の料金を支払う定額型ビジネスモデルです!」と説明。

所有から利用へ──いま注目のサブスクリプションとは!

近年、消費者の価値観やライフスタイルの変化により、新たなビジネスモデルとしてサブスクリプションが注目されています。

サブスクリプションとは、ユーザーが「モノ・サービス」を買い取るのではなく、利用した期間に応じて料金を支払う方式のこと。これまでの所有価値の提供ではなく使用価値の提供をすることで、ユーザーとの継続的な関係を構築するビジネスモデルです。

代表的なサービスとしては、月額制の動画配信や雑誌・コミックの電子書籍読み放題、音楽配信サービスや、ソフトウェアの利用サービスなどがあり、主にIT関連業界を中心に普及してきました。

2023年に市場規模は約1.5倍に

サブスクリプション(subscription)は、英語で「予約購読」の意味があり、新聞の定期購読のように、古くからあるビジネスモデルでした。

それがここ数年、消費者のニーズにより急速に広がっています。スマートフォンが普及しインターネットがより身近になったことで、いつでも無料もしくは定額で情報が入手できるようになりました。これをきっかけに、消費者の消費行動も「所有」から「利用」へと大きく変化してきています。

2019年4月に矢野経済研究所が公表した予測では、サブスクリプションサービスの国内市場規模は2018年度の5,627億円から、2020年に7,184億円に拡大し、2023年には2018年度比およそ1.5倍の8,623億円に達するとされています。

サブスクリプションサービス国内市場規模予測(8市場計)
サブスクリプションサービス国内市場規模予測(8市場計)
注1.エンドユーザー(消費者)支払額ベース
注2.市場規模は1.ファッション系定期宅配、2.ファッションサービス(ただし1.を除く)、3.食品系定期宅配、4.飲食サービス、5.生活関連、6.住居(シェアハウスやマンスリー系賃貸住宅は除外)、7.教育(但し通信教育は対象外)、8.娯楽(月額定額で利用できる音楽と映像サービス)の8市場の合算値
出典:株式会社矢野経済研究所ホームページより

現在、サブスクリプションを活用する業種は、IT関連業界(動画・音楽配信、ソフト利用など)のほかに、シェアリングを中心とするファッション、家具、車などの物販系や食品の定期宅配、住居、教育と多岐にわたっています。

また、カフェやラーメン店で飲み放題や食べ放題を取り入れるなど、これまで無縁と思われていた業種にも広がりを見せています。

では、サブスクリプションの導入で、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。続きを見てみましょう。

中小タスクはサブスクリプションの3つのメリットについて語る。1つめは料金を月々定額制にすることで、ユーザー数とサービス単価を掛け合わせ売上計画が立てやすくなることで、店の一定の売り上げが見込めること。2つめは定期利用によりユーザーの利用状況を集計でき、サービス向上や商品開発に活かせること。3つめはユーザーが商品やサービスを割安で手軽に利用できるようになること。話を聞いていた店長は「いいことずくめじゃないか!」と早速サブスクリプションを検討。そしてその数か月後。中小タスクがカフェ・ド・リップを訪ねると、以前よりも店内が活気づいており、月額5000円でのブレンド飲み放題などサービスを実践したことで、サイドメニューの売り上げ増や新商品開発にも成果が出ていると店長もホクホク顔であった。

サブスクリプション導入のメリット

サブスクリプションの導入によるメリットを、企業側とユーザー側で整理してみましょう。

【企業側】

1.継続的な売り上げが見込める

定期利用により、ユーザー数とサービス単価を掛け合わせて売り上げの試算が可能であり、売上の計画が立てやすくなります。また、ユーザーとの関係性が強化され新たな商品・サービスの情報を提供しやすくなります。

2.利用状況のデータの蓄積ができる

定期利用により、ユーザーの利用状況を日々集計でき、サービス品質の向上や商品開発につながる情報が得られやすくなります。

3.商品・サービスの価格によっては、サービス利用のハードルが下がる

もともと高額な商品・サービスの場合、サブスクリプション導入によりユーザーが利用する際の心理的ハードルを下げることができます。

【ユーザー側】

1.商品・サービスを割安で利用できる

基本的に通常購入するよりも商品・サービスを低単価で利用できるようになります。

2.新たな商品・サービスを手軽に試すことができる

契約条件によっては新たな商品・サービスも手軽に試すことができます。

3.モノを所有しなくて済む(商品の場合)

モノを所有しなくても済み、不要になったあとに保管するスペースなどがいりません

上記のように、企業側にもユーザー側にも、サブスクリプション導入には多くのメリットがあります。

サブスクリプション導入5つのポイント

とはいえ、ただ漠然とサブスクリプションを導入したところで、売上が増えるものではありません。ユーザーと継続的な関係を構築するには、以下の5つの点に留意する必要があります。

1.ユーザー目線のサービス設計

入口のハードルを下げる(例:複数プランの設定、ユーザーを限定しての割引プランの設定)ことにより、ユーザーにお得感を感じてもらう。

2.プラスアルファのオリジナルサービス

競合の商品・サービスの利点はカバーしつつもオリジナル性をうち出す。

3.ユーザーデータ活用による商品・サービス改善

ユーザーデータを活用して飽きられないように変化を加え、アップセル(より高いものを買ってもらう)、クロスセル(関連商品を買ってもらう)に繋げる。

4.解約率(チャーンレート)*を用いた管理

既存ユーザーが減少すれば、それだけ新規ユーザーの獲得が必要になる。しかし、新規ユーザーの獲得費用は既存ユーザーを維持する費用より数倍大きくなることから、具体的な指標を設定して解約率の減少に努め、少しでも長く既存ユーザーを維持していくことがポイントになる。

*解約率は、一定期間に解約したユーザー数を、その期間のユーザー数で割って算出。
 (一定期間に解約したユーザー数÷その期間のユーザー数×100)。
 数値が高いほど、解約に至った顧客の割合が高いことを意味する。

**「その期間のユーザー数」には新規獲得の数は含めない。
  例えば一定期間が月間であれば、月初のユーザー数となる。

5.従業員満足度の低下への配慮

新たにサブスクリプションに取り組む場合、オペレーションの負担が増えることによる従業員の満足度の低下に配慮し、導入時に組織内での十分な説明、合意が必要。

サブスクリプションはユーザー数を増やし、長く継続してもらえれば高い収益が見込めるビジネスモデルでもあります。これから導入を考えている事業者の方は、以上の点に留意してサービスを構築し、ユーザー獲得を目指してください!