調査

賃上げ企業、3年ぶり過半数:日本公庫が調査

2023年 3月 6日

日本政策金融公庫がまとめた「中小企業の雇用・賃金に関する調査結果」によると、2022年12月の正社員の給与水準を前年より「上昇」させた企業割合は53.1%となり、前年調査に比べて12.0ポイント上昇した。賃上げした中小企業が半数を上回ったのは3年ぶり。2023年の見通しについても、「上昇」と回答した企業は53.3%に上っている。

業種別にみると、情報通信業(63.8%)、水運業(58.5%)、建設業(55.1%)などで「上昇」と回答した企業割合が高い。また正社員の給与水準上昇の背景を聞くと、「自社の業績が改善」と回答した企業割合は27.2%と最も高く、次いで「物価の上昇」が19.4%、「採用が困難」が18.4%、「最低賃金の動向」が18.2%の順となった。

正社員の過不足感をみると、「不足」と回答した企業割合が58.2%となった。「適正」は35.2%、「過剰」は6.6%。「不足」の割合は、2021年実績(53.2%)から5.0ポイント上昇した。業種別にみると、建設業(73.3%)、宿泊・飲食サービス業(72.0%)、運送業(除水運)(71.7%)などで「不足」の割合が高い。

人手不足の影響についてみると、「売上機会を逸失」(40.3%)と回答した企業割合が最も高く、次いで「残業代、外注費等のコストが増加し、利益が減少」(24.2%)、「特になし」(17.2%)、「納期の長期化、遅延の発生」(12.5%)の順となっている。人手不足への対応についてみると、「従業員の多能工化」(43.1%)と回答した企業割合が最も高く、次いで「業務の一部を外注化」(34.4%)、「残業を増加」(30.9%)の順となっている。

調査は日本公庫・中小企業事業の取引先1万3266社を対象に、2022年12月中旬時点で実施した。このうち5473社から有効回答(回答率41.3%)を得た。

詳しくは日本公庫のニュースリリースへ。

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