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「第41期経営後継者研修」少数精鋭の12人が修了:中小企業大学校東京校

2021年 7月 19日

修了証書を手にする第41期の研修生
修了証書を手にする第41期の研修生
論文を発表するメコムの安部晃史郎さん(写真上)と広機工の末政亮磨さん(同下)
論文を発表するメコムの安部晃史郎さん(写真上)と広機工の末政亮磨さん(同下)

中小機構が運営する中小企業大学校東京校(東京都東大和市)は7月16日、「第41期経営後継者研修」のゼミナール論文発表会と終講式を行った。今期はコロナ禍の影響で通常の半分程度の12人が研修に参加。少数精鋭の研修生が10カ月間にわたる学びの成果として論文を発表した。

発表会では、仕事の都合で出席できなかった2人を除く10人の研修生が、ゼミ講師や派遣元企業の社長らが見守るなか、自社の事業戦略についてプレゼンテーションを行った。このうち、OA・IT機器の販売・保守を行っているメコム(山形市)の安部晃史郎さんは、「100年企業を目指して」とのタイトルで論文を発表。「企業を永続させるには新規事業が必要だ」として、今後、新たなサービスを展開していく考えを明らかにした。発表を終えた安部さんは、「弊社は今年で創業75年。25年後には自分が4代目社長として100周年を迎えたい」と述べた。

また、航空機・船舶部品メーカーの広機工(広島県呉市)の末政亮磨さんは、「INNOVATION2.0~創造的な破壊を目指して~」との論文を発表。同社では、コロナ禍により世界的に移動が制限されたことで新たな航空機需要が生まれず、部品の受注が大幅に減少。そうした現状認識に立ったうえで、外部コンサルタントの活用や人事制度の導入といった改革が必要だと強調した。末政さんは「まずは会社の弱点を知ることが大事。これから会社に戻るが、仮に社長と対立することがあったとしても改革を進めていきたい」と決意を述べた。

終講式では仁科隆久校長(左)から研修生一人ひとりに修了証書が授与された
終講式では仁科隆久校長(左)から研修生一人ひとりに修了証書が授与された

発表会に続いて終講式を開催。同校の仁科隆久校長は「涙あり、笑いありの発表に感銘を受けた。皆さんはこれから会社に戻り、悩みに直面することもあると思うが、ここで得られたネットワークも活用し、切磋琢磨して成長してほしい」と述べ、研修生を激励。一人ひとりに修了証書を授与した。

経営後継者研修は、全国9カ所にある中小企業大学校のうち東京校だけで実施している経営者育成プログラム。事業を引き継ぐ後継者に必要な知識や能力を実践的に授けるカリキュラムが特徴で、毎年10月から翌年7月まで10カ月間にわたって学ぶ。これまでに800人以上が修了し、全国各地で経営者や経営幹部として活躍している。10月4日に開講する第42期は、すでに定員の20人を超す申し込みがあり、キャンセル待ちの状態となっている。