市場調査データ

ゴルフ用品店

最近のゴルフは、有名選手による影響もあり、女性や子供にとっても身近なスポーツになりつつある。これに伴い、ゴルフ用品も女性向けやジュニア向け商品が続々と登場し充実してきている。以下では、ゴルフ用品店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で11%、男性17%、女性6%となっている(表1、図1)。利用率は、全ての年代で男性の方が女性よりも高い。とくに40代~60代男性の利用率が高く、いずれも20%以上となっている。

また、「利用経験あるが、現在利用していない」人の割合が利用率と比べると多く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえる。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、全体では、利用経験者の約半数(48%)が年に1回以上利用している(図2)。

比較的利用頻度が高いのは、20代男性であり、20代男性利用経験者のうち53%が月に1回以上利用し、13%が月に2~3回以上利用している。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額は、全体で、1万円未満が59%、1~3万円未満が26%、3万円以上が15%となっている(図3)。1回に10万円以上を使う利用者も全体の6%程度存在している。

1回当たり利用金額が比較的高いのは50代女性であり、50代女性利用経験者のうち54%が1回に1万円以上を使い、29%が1回に3万円以上を使い、17%が1回に10万円以上を使っている。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全ての年代で男性の方が女性よりも高い(表2、図4)。とくに40代~60代男性で高く、いずれも20%以上となっている。

ゴルフ用品店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、男性では40代(51%)をピークに、女性では30代(42%)をピークにして広く分布している。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、20代~40代男女と50代女性に存在している、と考えられる(図5)。

ゴルフ用品店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、おおむね若い年代ほど大きく、とくに20代~30代男女においては安定した消極的潜在需要が存在している、と考えられる。

40代~60代男性の高い利用率を維持しつつ、全体的にリピート率を向上させ、20代~30代男女や40代・50代女性の関心をいかに喚起し、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言えるだろう。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※ゴルフは長い間、オリンピック競技から外されていたが、2016年のリオデジャネイロ・オリンピックからの復帰が決まっている。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、オリンピック競技種目への復帰で注目が集まり、現在の利用率等は若干上がっているとも考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2009年11月13日~11月27日

調査対象:

株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1287人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月