市場調査データ

オフィス内据え置き菓子類販売

オフィス内据え置き菓子類販売(オフィス内での菓子類の配置販売)は、販売会社が販売先企業のオフィス内に菓子類を収納するためのスペースを設け、料金収納と商品提供をセルフサービスで行う販売形態である。中には小型冷蔵庫を置いてアイスクリーム等を販売するケースもある。オフィス内に据え置かれた菓子類は、東日本大震災時には帰宅難民となった従業員の備蓄食糧の役割も果たし、その価値が見直され始めている。以下では、オフィス内据え置き菓子類販売についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で6%、男性8%、女性4%であり、男性の利用率の方が高い。(表1、図1)。利用率は、おおむね男性、そして若い年代で比較的高いといえる。

年代・性別でみると、利用率が最も高いのは30代男性(13%)であり、次いで、20代男性(10%)、40代男性(9%)などの順になっている。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度にはバラツキがあるが、おおむね女性よりも男性の方が利用頻度が高い(図2)。週に1回以上利用しているユーザーは20代男性に最も多く、20代男性利用経験者のうち36%が該当する。次いで30代男性利用経験者の33%、40代男性利用経験者の26%が週に1回以上利用している。

また、20代・30代女性の中には、ほぼ毎日利用しているユーザーも存在している。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額は、300円未満がほとんどであるが、一部では、1,000円以上のまとめ買いもされていると考えられる(図3)。

1回あたり利用金額は、20代~40代男性で比較的高いといえる。利用経験者のうち1回に500円以上を使うのは、30代男性で16%、40代男性で12%、20代男性で9%などとなっている。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で12%、男性16%、女性9%であり、男性の方が利用意向が高い(表2、図4)。また、積極的利用意向は、男女共に、若い年代であるほど高くなっている。

オフィス内据え置き菓子類販売の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で40%に達しており、また、若い年代であるほど高くなっている。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、60代女性を除くすべての年代・性別でプラスとなっている(図5)。また、積極的潜在需要は、若い年代であるほど大きい。

オフィス内据え置き菓子類販売の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、全ての年代・性別でプラスとなっており、また、若い年代であるほど大きい。

オフィス内据え置き菓子類販売では、社内の非常用食糧備蓄としての機能もアピールしつつ、若い年代の社員が多い職場をターゲットとして販促活動を推進していくとよいと考えられる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※オフィス内据え置き菓子類販売は、2002年に江崎グリコが『オフィスグリコ』として展開したビジネスに始まる。本レポートのアンケート調査は2012年に行われたものであるが、同種のサービスを行う企業の参入や、認知度の向上もあり、現在の利用状況は若干上がってきているとも考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2012年6月2日~6月29日

調査対象:

国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,084人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月