市場調査データ

コンビニエンスストア

コンビニエンスストアは、幅広い年代層で高い利用率を誇る業態であるが、高齢女性などには、さらなる潜在需要が眠っていると考えられる。以下では、コンビニエンスストアについて、消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を基に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で87%、男性89%、女性86%であり、男女とも極めて高い利用状況にある(表1、図1)。  また、「よく利用している」と回答したリピート客は、男性(51%)、女性(32%)と男性に多く、男性では40代を中心に、女性では20代を中心に多く分布していると考えられる。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、利用者全体で、「週に2~3回(25%)」が最も多く、次いで、「週に1回(22%)」、「月に2~3 回(16%)」、「ほぼ毎日(14%)」などの順になっている(図2)。  年代別・性別では、とくに40代男性の利用頻度が高く、40代男性利用者のうち、86%が「週に1回」以上、31%が「ほぼ毎日」利用している。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたりの利用金額に関しては、1,000円未満での利用がほとんどである(図3)。最も多い利用金額帯は、「300円~500円未満(38%)」であり、次いで「500円~1,000円未満(33%)」、「300円未満(20%)」での利用が多い。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「どちらかといえば利用したい(まあ利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で84%、男性84%、女性85%であり、男女とも極めて高い水準にある(表2、図4)。とくに、30代女性の利用意向は90%に達している。 一方、コンビニエンスストアの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で95%、男性95%、女性95%であり、こちらも男女とも極めて高い水準にある。  また、「ぜひ利用したい」と答えた人は、男性では40代を中心に、女性では20代を中心に多く分布している。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、20代男性と60代女性にわずかながら存在している(図5)。  コンビニエンスストアの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、わずかではあるが全ての層に存在していると考えられる。

幅広い年代層で高い利用率を誇るコンビニエンスストアであるが、20代男性や60代女性などには、さらなる潜在需要が眠っていると考えられる。現在の高い利用率を維持しつつ、これらの層をターゲットとした商品開発で潜在需要を開拓していくことが、今後のコンビニエンスストアの販売促進においては有効であると考えられる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2017年3月14日~3月16日

調査対象:

国内在住の20代~60代男女(有効回答数:1,000人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2017年3月