市場調査データ

カプセルホテル(2017年版)

カプセルホテルとは、カプセル状の個室を寝室として提供する簡易ホテルである。従来は、学生やサラリーマンが主な利用者であったが、最近は、女性専用のカプセルホテルも登場したことも背景にあり、女性の利用客も増えてきている。以下では、カプセルホテルについて、消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を基に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で6%、男性10%、女性2%であり、男性の利用率の方が高い(表1、図1)。

年代別・性別でみて比較的利用率が高いのは、40代男性(19%)、20代~30代男性(10%)、そして50代男性(7%)、20代女性(7%)などである。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、20代男性が最も高いが、30代男女の中にも一部、利用頻度の高い人たちが居ると考えられる(図2)。利用者層全体でみると、「年に1回以下」での利用者が全体の57%となっており大半を占めている。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたりの利用金額に関しては、「3,000円~5,000円未満」での利用が69%となっており大勢を占めている(図3)。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「どちらかといえば利用したい(まあ利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で14%、男性18%、女性10%であり、男性の利用意向が高い(表2、図4)。

一方、カプセルホテルの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で36%、男性43%、女性29%であり、こちらも男性の利用意向が高い。

年代別・性別にみると、積極的利用意向、消極的利用意向ともに、男性では30代~40代を中心に、女性では20代を中心に、利用意向が高いという傾向が見られる。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、20代男女で10%を超えており、また、他の年代においても男女ともに万遍なく5%~9%程度の潜在需要が存在している(図5)。

カプセルホテルの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、20代~30代の男女を中心に多く存在しており、また、60代女性以外はどの年代・性別でも20%を超える潜在需要が存在している。

カプセルホテルの現在の利用実績は男性中心となっているが、利用意向や潜在需要に関しては、男女での大きな差は見られない。女性向けの洗面設備やシャワー室等の充実、そして女性専用のフロアを設けるなど、女性利用者を意識した店舗づくりで女性の需要を開拓することが、今後の販売促進においては有効であると考えられる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2017年1月13日~1月26日

調査対象:

国内在住の20代~60代男女(有効回答数:1,000人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2017年1月

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