RoHS指令の基礎

中国RoHS管理規則のその後の動向(2)

2011年8月12日

国RoHS管理規則の支援標準(規格)の改定動向

中国RoHS管理規則改定案に第16条[標準化規定1]では、「本規則の第12条(電子電気製品に含有する有害物質の表示)、第13条(環境保護使用期限を表示)、第14条(包装物の材料名称の表示)が規定する標識の様式と方式は工業情報化部と国務院の関連する主管部門が起草して、関係する国家標準あるいは業界標準を統一的に定め制定する」としています。この中国RoHS管理規則に関連する標準が改正されていますので情報を整理してみます。

中国の標準体系

中国の標準体系について補足します。中国の標準は「国家標準」、「業界標準」や「地方標準」などに分けられます。

  1. 国家標準(National Standards)
    国家標準はGBで始まります。
    GB 中華人民共和国 強制国家標準
    GB/T 中華人民共和国 推奨国家標準
    GB/Z 中華人民共和国 国家標準化指導性技術書
  2. 業界標準(分野別標準)
    業界標準は分野ごとにコードが決まっています。
    SN 商品検査
    SJ 電子
    HJ 環境保護
    など
  3. 標準の運用
    GBまたは分野コードの次に「/T」が付いている場合は、「推奨標準(ガイドライン)」であり、付いていない場合は「強制標準」となります。GB/T26572-2011およびGB/T26125-2011は「国家推奨標準」であり「国家強制標準」ではありません。
    中国での標準制定は、業界標準を策定し、次に国家標準の順で制定します。国家標準が制定された時点で関係する業界標準は自動的に廃止されます。

含有特定有害物質に関連する新標準の発行

5月12日に中国で2つの標準が発行されました。

GB/T26572-2011

(Requirements of concentration limits for certain restricted substances in electrical and electronic products)
発効日:2011年8月1日

GB/T26125-2011

〔Electrical and electronic products - Determination of six regulated substances(lead, mercury, cadmium, hexavalent chromium, polybrominated biphenyls, polybrominated diphenyl ethers)〕
発効日:2011年8月1日

この2つの標準は、RoHS管理規則の適用標準のSJ/T11363-2006(子信息品中有毒有害物的限量要求)およびSJ/T11365-2006(子信息品中有毒有害物的方法)の改正版です。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。
情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会