同社は、お手ごろ価格の注文住宅「コージーホーム」で知られる住宅事業、大型マンションや公共施設といった建築事業などを手掛ける。また6社ある関連会社は、損害保険や学校給食、さらには地方創生関連事業などバラエティに富んでいる。このようにユニークで多角的な経営を行っている同社だが、社内には50~60代の中高年社員が多く、ITやDXとは無縁とも思える状況だった。同社代表取締役の依岡善明氏も「DXは必要だと思いつつも、通常の業務が忙しく勉強する時間が確保できない。社員の年齢層が高く、やっても難しい、というのが正直な気持ちだった」と振り返る。
大手事務機器・光学機器メーカーやITコンサルティング会社を経て2014年に中途入社してきた和田氏も「(DXに関しては)絶望的だった」と話す。情報を他の社員と共有するという文化がなく、属人化だけが進んでいた。各自に支給されているパソコン内には図面や顧客情報など業務に必要な情報を各自が蓄積していたが、そのパソコンの持ち主だけがわかっている状態。また、パソコンの不具合などで情報を取り出すことができないときには、バックアップで保管していた紙の資料をひっくり返して書類を作成。こうした紙ベースの業務に時間を費やし、ビジネスチャンスを逃していたともいえる。
入社前の経歴から和田氏は社内のパソコントラブルなどに対応していたが、ある社員がパソコンを完全に壊れた状態で持ち込んできた。蓄積されていた情報は消失。バックアップもすべて取っていたわけではなかった。これがきっかけとなり、和田氏は「情報システムの仕事をさせてほしい」と依岡氏に直訴。こうして「Jyouzen Group Cloud Project」と銘打った同社のプロジェクトは2018年にスタートした。