山本氏は、LASによって生産性・効率性を大幅に向上させた事例をこう紹介する。
24時間体制で工場を稼働させている部品加工メーカーの設備や加工現象をモニタリングし、データをとると、部品の一部分の削り込みの時に切削工具に大きな負荷がかかっていることが分かった。
工具にかかっている負荷の状況はコンピューターでグラフィック化され、わかりやすく表示。工具に負荷がかからない稼働条件をAIで分析し、夜間に工具に負担がかからないよう機械のプログラミングを変更した。
「日中の人がいる間に工具の負荷の状態をみて、夜間は折損しない条件で加工するようプログラミングする。夜間に工具が折損するのが怖いので人を張り付けていたが、変更したことで、無人で稼働できるようになった」と山本氏は解説する。
このような調整を行うと、生産効率は落ちるが、夜間要員が不要になった分の人件費は削減される。「機械が生む1時間当たりの付加価値もデータ化できるので、機械が生む付加価値をどういう形にするべきか、経営者と生産現場が考える大きな材料になる」という。
こうしたサービスを提供したことで、顧客の数は大幅に増えたそうだ。「2006~07年のころの取引先の数は50~60社だったが、今は600社を超えている。請負の製造業はリソースに限界があるので、なかなか規模を追求できない。だが、デジタルのビジネスは規模を追求できる。そこが面白い」と山本氏は話す。