東京湾沿いに位置する大田区では古くから製造業が盛んで、とくに1923年の関東大震災後に東京の中心部から多くの工場が移転してきたという。事業者数は1980年代をピークに減少してきたが、現在も約3500社が集積し、機械金属加工や精密加工など長年培われてきた独自の技術で日本のものづくりを支え続けている。
日本屈指の“ものづくりのまち”である大田区では、大手企業からの受注に対し、複数の町工場がそれぞれの得意分野を活かす形で分業して仕事を仕上げるという「仲間まわし」という伝統文化があった。町工場の減少もあって薄れてきた「仲間まわし」を新たな形で活用していこうと、プロジェクト型共同事業体として誕生したのがI-OTAである。町工場の若手経営者らが中心となって2018年に設立した。
代表社員の國廣氏が代表取締役をつとめるフルハートジャパンなどがハブ企業となって案件を獲得し、参画企業の中で案件に必要な技術を持った企業が連携していく。自分たちの希望に合った依頼先を探すのが大変だという発注者側にとってもワンストップで相談できるというメリットがある。國廣氏は「町工場が協力して技術を補完し合うことでビジネスチャンスを逃さず利益につなげていく。コンソーシアムという組織化によって、発注者である大手企業に対して価格面などの交渉力を高め、下請けからの脱却も進めたい」と話している。