同社の創業は江戸時代の天保年間。法人設立後も70年を数え、大八車、自転車、二輪車、自動車と取り扱う乗り物は進化を続けてきた。土田さんは7代目。「この地で長く商売してきたのでお客さまも2代、3代に渡っている。旧町名の松住町の福井さんというつきあいなので、なくすほうが難しい」と2014年3月、47歳で叔父から事業承継した。
2018年3月期の売上高は約4億5000万円。利益は約2000万円。自動運転のクルマなど激変する業界のなかで健闘を続ける。業務の効率化は必須課題だが、経費をいかに抑えるか。背中合わせの舵取りが続く。
昨年亡くなった5代目、土田さんの実父・福井忠雄氏はこう言った。「いい会社っていうのは大きい会社ではなくて、長く続く会社だ。同じことをずっとやっても絶対うまくいかないし、時代にそぐわなくなる。自動車じゃなくてもいいから、この松住町で長く商売を続けてほしい。不易流行だよ」。伝統を踏襲しつつ、新しいことを随時取り入れていく。IT化は父の遺言のようなものだ。
総務や経理部門のIT化は社員の働き方改革につながるし、本業の自動車整備事業そのもののIT化も今後の生き残りに直結する大きな課題だ。土田さんは「全てを一気に変えるのは難しいが、時代に取り残されないよう取り組んでいきたい」と考えている。