地方自治体との連携を一層強める
政府一体となって取り組む
こととする。
3.行動指針
政府は、以下の柱に沿って具体的な取組を進める。
一.中小企業の立場から経営支援を充実・徹底する
中小企業の技術力向上のため、ものづくり分野を始めとする技術開発、教育・研究機関、他企業などとの共同研究を支援するとともに、競争力の鍵となる企業集積の維持・発展を図る。また、業種間での連携・共同化や知的財産の活用を進め、中小企業の事業能力を強める。経営支援の効果を高めるため、支援人材を育成・増強し、地域経済団体との連携による支援体制を充実する。
二.人材の育成・確保を支援する
中小企業の要諦は人材にある。働く人々が積極的に自己研鑽に取り組めるよう能力開発の機会を確保する。魅力ある中小企業への就業や起業を促し、人材が大企業信仰にとらわれないよう、各学校段階を通じて健全な勤労観や職業観を形成する教育を充実する。また、女性、高齢者や障害者を含め働く人々にとって質の高い職場環境を目指す。
三.起業・新事業展開のしやすい環境を整える
資金調達を始めとする起業・新分野進出時の障壁を取り除く。また、医療、介護、一次産業関連分野や情報通信技術関連分野など今後の日本を支える成長分野において、中小企業が積極的な事業を展開できるよう制度改革に取り組む。国際的に開かれた先進的な起業環境を目指す。
四.海外展開を支援する
中小企業が海外市場の開拓に取り組めるよう、官民が連携した取組を強める。また、支援人材を活用しつつ、海外の市場動向、見本市関連などの情報の提供、販路拡大活動の支援、知的財産権トラブルの解決などの支援を行う。中小企業の国際人材の育成や外国人材の活用のための支援をも進め、中小企業の真の国際化につなげる。
五.公正な市場環境を整える
中小企業の正当な利益を守る法令を厳格に執行し、大企業による代金の支払遅延・減額を防止するとともに、中小企業に不合理な負担を招く過剰な品質の要求などの行為を駆逐する。また、国及び地方自治体が中小企業からの調達に配慮し、受注機会の確保や増大に努める。
六.中小企業向けの金融を円滑化する
不況、災害などから中小企業を守り、また、経営革新や技術開発などを促すための政策金融や、起業、転業、新事業展開などのための資金供給を充実する。金融供与に当たっては、中小企業の知的資産を始め事業力や経営者の資質を重視し、不動産担保や保証人への依存を減らす。そのためにも、中小企業の実態に則した会計制度を整え、経営状況の明確化、経営者自身による事業の説明能力の向上、資金調達力の強化を促す。
七.地域及び社会に貢献できるよう体制を整備する
中小企業が、商店街や地域経済団体と連携して行うものも含め、高齢化・過疎化、環境問題など地域や社会が抱える課題を解決しようとする活動を広く支援する。祭りや、まちおこしなど地域のつながりを強める活動への中小企業の参加を支援する。また、熟練技能や伝統技能の継承を後押しする。
八.中小企業への影響を考慮し政策を総合的に進め、政策評価に中小企業の声を生かす
関係省庁の連携は、起業・転業・新事業展開への支援策の有効性を高める。中小企業庁を始め、関係省庁が、これまで以上に一体性を強めて、産業、雇用、社会保障、教育、金融、財政、税制など総合的に中小企業政策を進める。その際、地域経済団体の協力を得つつ、全国の中小企業の声を広く聴き、政策効果の検証に反映する。
(結び)
世界経済は、成長の中心を欧米からアジアなどの新興国に移し、また、情報や金融が短時間のうちに動くという構造的な変化を激しくしている。一方で、我が国では少子高齢化が進む中、これからは、一人ひとりが、力を伸ばし発揮することが、かつてなく重要性を高め、国の死命を制することになる。したがって、起業、挑戦意欲、創意工夫の積み重ねが一層活発となるような社会への変革なくしては、この国の将来は危うい。変革の担い手としての中小企業への大いなる期待、そして、中小企業が果敢に挑戦できるような経済社会の実現に向けての決意を政府として宣言する。
参考