市場調査データ

和食レストラン

ここで言う"和食レストラン"とは、和食をメインとした、ファミリーレストランに代表されるレストラン形式の飲食店を指す。以下では、和食レストランについての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は比較的高く、男女ともに70%を超え、全体で74%となっている(表1、図1)。年代・性別で見ると、最も利用率が高いのは、60代女性(81%)である。次いで、60代男性(80%)、20代男性と50代女性(77%)の利用率が高い。

表1 現在の利用状況

和食レストランの、年代・性別ごとの利用状況一覧表

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度は、全ての年代で男性の方が女性よりも高い、という傾向が見られる(図2)。比較的利用頻度が高いのは40代男性であり、利用経験者の53%が「月に1回」以上利用している。他は、30代男性、50代男性、60代男性の利用頻度が高い。20代女性の場合、利用経験者の68%が「月に1回」未満の利用であるが、「ほぼ毎日」利用するユーザーも1%程度存在する。

1回1人あたりの利用金額は、60代女性が高く、利用経験者の52%が1,500円以上を使い、27%が2,500円以上を使っている(図3)。逆に、20代の利用金額は低く、1回1人あたり1,500円以上を使うのは、男性利用経験者の9%、女性利用経験者の28%にすぎない。以上のことから「20代男性は、リピーターとしてよく来るが利用金額は低い。60代女性は、たまに来るが利用金額は高い」という傾向が見られる。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後の利用意向に関しては、50代女性と60代男女を中心に「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」の比率が高い(表2、図4)。「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい」を合わせた比率(積極的利用意向)は、50代女性で76%、60代女性で71%、そして60代男性で69%となっている。

和食レストランの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は極めて高く、50代男性が89%である以外は、全ての年代・性別で90%以上となっている。

表2 今後の利用意向

和食レストランの、年代・性別ごとの今後の利用意向一覧表

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向マイナス利用率)は、利用率が高いため、総じてマイナスであるが、50代女性については、マイナス幅が小さい(図5)。

積極的潜在需要に「否定的な利用意向を持たない層」も加えると、潜在需要の範囲は消極的潜在需要(消極的利用意向マイナス利用率)へと広がる。消極的潜在需要は、20代の男女、30代女性、そして40代の男女で比較的大きい。

既に高い利用率を維持しつつ、彼ら・彼女らの関心をいかに喚起させ、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言える。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※公益財団法人 食の安全・安心財団資料によると、食堂・レストランの市場規模は、2008年に9兆800億円だったものが2012年には8兆8,160億円にまで縮小してきている。単身世帯数の増加や世帯人員数の減少で家族での外食市場規模が縮小していることが背景にあるとも考えられる。本レポートのアンケート調査は2008年に行われたものであるが、現在の利用率は若干下がっているとも考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2008年10月28日~11月10日

調査対象:

株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:984人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月