市場調査データ

惣菜宅配業

女性の社会進出や単身者世帯の増加などを背景に、惣菜宅配市場は現在成長の途上にある。以下では、惣菜宅配についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で8%、男性が7%、女性が8%となっており、いずれも10%を下回っている(表1、図1)。最も利用率が高いのは30代男性(17%)であり、次いで、30代女性(10%)、40代女性(9%)の利用率が高い。

また、利用率に比べて全体的に「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が大きく、リピート率が低いことも窺える。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度は全体で、80%が月に1回以下の利用となっている(図2)。

利用率が最も高い30代男性では、利用経験者の50%が月に1回以上利用し、38%が月に2~3回以上利用し、21%が週に1回以上利用している。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額のボリュームゾーンは、全体で1000~1200円未満の範囲と考えられる(図3)。利用経験者全体の24%が1000~1200円未満の範囲内で利用し、61%が700~1500円未満の範囲内で利用している。

1回あたり利用金額が比較的多いのは30代男性であり、彼らの利用経験者の46%が1回に1200円以上を使い、13%が1回に3000円以上を使っている。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、男性8%、女性16%となっており、女性の方が男性よりも利用意向が高い(表2、図4)。とくに40代女性(20%)と20代女性(17%)の利用意向が高い。

惣菜宅配の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、60代男性以外では、いずれの年代・性別でも50%を超えている。とくに20代女性、30代・40代男性で高く、消極的利用意向は70%を超えている。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、20代・30代男性以外では全てゼロ又はプラスとなっている(図5)。積極的潜在需要は、全ての年代で、女性の方が男性よりも大きい。

惣菜宅配の利用に否定的な意向を持たない層をも加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、20代~40代男女で50%を超えている。とくに20代女性と40代男性の潜在需要が大きいと考えられる。

全体的にリピート率を向上させると同時に、幅広い年代、とくに女性の関心をいかに喚起し、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言えるだろう。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※公益財団法人 食の安全・安心財団資料によると、料理品小売の市場規模は、2009年に6兆858億円だったものが2012年には6兆4,648億円にまで拡大している。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、現在の利用状況も若干上がっていると考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2009年6月25日~7月9日

調査対象:

調査対象:株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1192人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月