市場調査データ
たこ焼き店
たこ焼き店は、小スペースからの営業が可能で出店費用が低く抑えられるため個人店が多いが、フランチャイズ・チェーン展開が進み店舗数も増加したため、今日では身近な外食・中食メニューとなっている。以下では、たこ焼き店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で44%、男性42%、女性46%であり、女性の方が男性よりもやや利用率が高い(表1、図1)。
最も利用率が高いのは20代女性(54%)であり、次いで20代男性(51%)、30代女性(50%)という順になっている。おおむね若い年代ほど利用率は高いといえる。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度に関しては、利用経験者全体で、「年に1回以下(38%)」が最も多く、次いで「半年に1回(20%)」「2~3カ月に1回」(19%)」の利用者が多い(図2)。
年代・性別にみると、20代男性の利用頻度が比較的高いといえる。20代男性利用経験者の中には、「週に1回」以上利用するヘビーユーザーも8%程度存在している。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回(1人)あたり利用金額のボリュームゾーンは、「400~500円未満」の範囲と考えられる(図3)。この範囲に全体の28%が収まっている。
年代・性別では、50代・60代男性で1回あたり利用金額が比較的多いといえる。50代男性利用経験者の11%、60代男性利用経験者の8%が、1回に1,000円以上を使っている。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で56%、男性52%、女性61%であり、女性の方が男性よりも利用意向が高い(表2、図4)。また、女性では30代を中心に、男性では20代を中心に利用意向が高くなっている。
たこ焼き店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は60代を除く全ての年代・性別で80%を超えており極めて高い水準にあるといえる。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、20代男性、20代~40代女性などを中心に幅広い年代層に分布していると考えられる(図5)。
たこ焼き店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、30代男女、50代男性を中心に幅広い年代層に存在していると考えられる。
20代男性、20代~40代女性などを中心とした幅広い層の関心を、いかに喚起し、実際の来店に結びつけていくかが、今後の成功の鍵といえるだろう。また、図1で、「利用経験あるが、現在利用していない」人の割合が利用率と比べると高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえるので、ポイントカードの導入や新メニューの開発など、既存顧客のリピート率向上に努めることも重要だといえる。
図5 潜在需要
※公益財団法人 食の安全・安心財団資料によると、日本の飲食店市場規模は、2010年から2012年にかけては12兆2,000億円~12兆5,000億円の間で安定的に推移している(乖離幅は2.5%未満)。本レポートのアンケート調査は2010年に行われたものであるが、現在の利用状況に大きな変化は無いものと考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2010年8月3日~8月23日、11月19日~24日
- 調査対象:
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WizBiz株式会社 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1249人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月