市場調査データ
英会話教室(2013年版)
英会話教室には、大企業の運営するチェーン教室から、個人経営の教室まである。とくに認可を必要としないことから参入障壁が低く新規参入も多い。英会話教室についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、男性が2%、女性が3%、男女合わせた全体で3%となっている(表1、図1)。年代・性別で見ると、最も利用率が高いのは、20代男性(9%)であり、続いて30代男性(6%)、20代女性(4%)、40代女性(4%)の利用率が高い。20代では男性の利用率の方が女性よりも高いが、40代以上になると女性の利用率の方が男性よりも高くなる、という傾向がある。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
現在の利用者を対象に利用頻度を見ると、「週に1回」の利用者が最も多く全体の54%を占める(図2)。他は、「ほぼ毎日」が3%、「週に2~3回」が10%、「月に2~3回」が18%、「月に1回」が8%、「2~3ヶ月に1回」が3%、「半年に1回」が5%という分布になっている。
1回あたりの利用金額に関しては、「2,000~2,500円未満」が最も多く利用経験者の17%を占める。他は、「3,000~5,000円未満(15%)」「1,500~2,000円未満(14%)」などの価格帯が比較的多くなっている(図3)。
図2 利用頻度 (現在の利用者を対象としたもの)
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後の利用意向に関しては、若い年代を中心に「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」の比率が高くなっている(表2、図4)。「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい」を合わせた比率(積極的利用意向)は、30代男性で17%、20代女性で15%、20代男性で14%、30代女性で12%となっている。
英会話教室の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向)は、20代男性で68%、20代女性で63%、30代男性で55%、30代女性で53%となっており、こちらもやはり若い年代を中心に比率が高い。
表2 今後の利用意向
図4 今後の利用意向
潜在需要(利用意向の比率マイナス利用率)に関しては、若い年代に有望な潜在需要(積極的潜在需要)が存在していると考えられる(図5)。とくに、20代女性、30代男女の積極的潜在需要は大きい。積極的潜在需要に「否定的な利用意向を持たない層」も加えると、潜在需要の範囲は消極的潜在需要へと広がる。消極的潜在需要も若い年代で大きく、とくに20代の男女に大きな潜在需要が存在している。
彼ら・彼女らの関心をいかに喚起させ、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言える。
図5 潜在需要
※経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によれば、外国語会話教室の売上高規模は、2008年で802億円、2010年で691億円、そして2012年で773億円と推移してきている。本レポートのアンケート調査は2008年に行われたものであるが、国の語学教育への注力などを背景に、現在、傾向として利用率等は上がってきているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2008年10月28日~11月10日
- 調査対象:
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株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:984人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月