市場調査データ

整骨院(2012年版)

整骨院は、老若男女を問わず幅広い層の安定した利用率と利用意向を保った業種である。そして潜在需要も潤沢である。以下では、整骨院についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で13%、男性11%、女性14%であり、女性の方が利用率は高い(表1、図1)。

年代別・性別に見ると、利用率が最も高いのは30代女性(17%)であり、次いで、20代女性(16%)、30代・40代男性(16%)などで利用率が高い。そして、「よく利用している」の比率が高いのは、50代女性(7%)である。

また、「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が利用率に比べて大きいことから、リピート率は低いとも考えられる。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、「3年に1回未満」が最も多く、利用経験者全体の42%を占める(図2)。利用経験者全体の中では、8%が週に1回以上、21%が月に1回以上、40%が半年に1回以上利用している。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額は、300円未満から10,000円以上までと幅が広い(図3)。

また、「1,000~1,500円未満」の価格帯がグラフの50%の水準に位置していることから、「1,000~1,500円未満」が、1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)であろうと推察できる。

利用金額が比較的高いのは、20代~40代女性であると考えられる。利用経験者のうち、1回に3,000円以上を使うユーザーの割合は、20代女性で38%、30代女性で35%、40代女性で33%となっている。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で23%、男性19%、女性27%であり、とくに女性の利用意向が高い(表2、図4)。

整骨院の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、60代男性を除く全ての年代・性別で40%を超えている。とくに20代~50代女性の利用意向は高く、いずれも60%を超えている。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、全ての年代・性別でプラスとなっており、幅広い範囲に潜在需要は存在していると考えられる(図5)。

整骨院の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)もまた、全ての年代・性別でプラスとなっている。とくに、20代~50代女性には大きな潜在需要が眠っていると考えられる。

整骨院は、老若男女を問わず幅広い範囲に潜在需要を抱えた業種である。とくに、20代~50代女性の無関心層に眠る潜在需要は大きい。店内外装を常に清潔に保っておく、女性スタッフを常駐させておく、など女性の初診を受け入れやすくしておくことも、新規需要開拓には有効だといえる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※総務省統計局「家計調査(総世帯調査)」によると、家計1世帯が整骨(接骨)・鍼灸院治療にかける年間支出金額平均は、2009年で2,055円、2012年で2,360円となっており増加している。現在の利用率等も傾向として若干上がっているとも考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2012年6月2日~6月29日

調査対象:

国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,084人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月

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