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経産大臣賞にフォロフライ・小間氏、科学技術大臣賞にキュエル・伊藤氏:第24回JVA表彰式
2024年 12月 12日
中小機構は12月11日、革新的で潜在成長力の高い事業や社会課題解決を目指す志の高いベンチャー起業家を表彰する「第24回Japan Venture Awards(JVA)」を虎ノ門ヒルズフォーラム(東京都港区)で開催した。経済産業大臣賞はフォロフライ株式会社(京都市下京区)の小間裕康CEOが受賞、内閣府科学技術政策担当大臣賞はキュエル(東京都八王子市)の伊藤陽介代表取締役が選ばれた。このほか中小企業庁長官賞や中小機構理事長賞など合わせて起業家14人、ベンチャーキャピタリスト(VC)3人を表彰した。表彰式の模様はオンラインで同時配信された。
開催にあたり宮川正中小機構理事長は「JVAは今回で24回の開催だが、受賞企業は大いに活躍されている。47社がIPO(新規株式公開)をし、時価総額は合計1.4兆円に拡大している。JVAへの応募者も年々増え、今回は236名の方に応募していただいた。いずれも将来性のあるものばかりだった」と、受賞企業の活躍を紹介した。
経済産業大臣賞に輝いた小間氏は、商用EVを開発販売するフォロフライを設立、3期目で1トンクラスの商用EVとしてシェアトップと黒字化を達成した。また、小間氏は日本で数少ない連続起業家として従業員の独立を含む20社の起業に携わり、新産業の創出に挑戦し続ける姿勢が起業家のロールモデルとして高く評価された。表彰式で小間氏は「まずはビリオン(10億)、そしてトリリオン(1兆)と成長していく。街の風景を変える大きな事業にしていきたい。ビッグマウスと言われるだろうが、言葉に出したようにきちんと実績を出していきたい」と力強く未来の成長を宣言した。
科学技術政策担当大臣賞受賞の伊藤氏は、量子コンピュータの制御装置・ミドルウェアの開発、製造、販売を行うキュエルを2021年に創業、既に64量子ビットの超電導量子コンピュータの構築に使われるなど、競合の制御装置メーカーに先行した実績が評価された。伊藤氏は「量子コンピュータはまだまだ開発段階だが、我々がいい制御装置を開発することで、みなさんが恩恵にあずかれるように頑張っていきたい。未来が変わっていくことを期待してほしい」と開発への意気込みを語った。
表彰式にプレゼンターとして参加した大串正樹・経済産業副大臣は「みなさんの事業は日本のみならず世界規模の課題を解決するもので、スタートアップ企業のロールモデルとしてすばらしい。高い志を持ち日本の未来を切り拓いてもらいたい」と述べ、今回の受賞者を称えた。また、友納理緒・内閣府大臣政務官は「新しい資本主義の担い手であるスタートアップはイノベーション創出に重要な役割を果たしている。研究成果が広く世の中に波及することを期待している」とメッセージを寄せた。最後に、審査委員長を務めた東出浩教・早稲田大学大学院教授は「スタートアップ企業の新しいトレンドとして、自己資金で展開し、収益を再投資して福利で成長する企業が出てきている。また、シリアルアントレプレナー(新事業を何度も立ち上げる起業家)も登場している。今回大臣賞や中小企業庁長官賞などを受賞した企業はこれにあたる」とスタートアップ企業の新しいトレンドを紹介し、今後の展開に期待した。
大臣賞以外の受賞者は次のとおり。
【中小企業庁長官賞】
浅谷治希株式会社ARROWS代表取締役社長▽松田崇弥株式会社ヘラルボニー代表取締役/Co-CEO
【中小機構理事長賞】
家本賢太郎チャリチャリ株式会社代表取締役社長▽宇井吉美株式会社aba代表取締役CEO
【SDGs特別賞】
加藤尚哉株式会社エネコートテクノロジーズ代表取締役▽閔弘圭株式会Liberaware代表取締役
【地域貢献特別賞】
廣瀬あゆみ株式会社リィ代表取締役CEO▽本郷武延株式会社アスター代表取締役
【JVA審査委員会特別賞】
阿久津智紀株式会社TOUCH TO GO代表取締役社長▽小野瀨隆一Craif株式会社CEO▽林達ストックマーク株式会社代表取締役CEO
【JVCA特別奨励賞】
中道勝株式会社MiRESSO代表取締役
【ベンチャーキャピタリスト奨励賞】
河西佑太郎Angel Bridg株式会社代表パートナー▽沼田朋子ジャフコ グループ株式会社チーフキャピタリスト▽両角将太株式会社エフベンチャーズ代表取締役
詳細は中小機構のホームページまで。