目標達成に向け、同社は自治体や企業、大学などとの連携を進めている。このうち自治体とは2019年6月に地元・さいたま市と「プラスチックごみ削減の推進に関する協定」を締結したのを皮切りに、北海道から九州まで全国80以上の自治体と協定を結んでいる。これらの協定によりマイボトルに給水できるウォータースタンドを置いた給水スタンドが公共施設に順次設置されており、現在約2600カ所となっている。「自治体との協定をさらに進め、あと1、2年のうちに1万カ所に増やしたい」(本多氏)という。
また、SDGsにきわめて積極的なさいたま市では、公立の小中学校すべてに児童・生徒がマイボトルに給水できるウォータースタンドを設置。水を通じてSDGsに対する子どもたちの関心を高めることにもつながっている。さらに、本多氏は「ペットボトルのごみが減れば、ごみ収集車が排出するCO2や焼却時に発生するCO2が減り、全体として行政コストも削減できる」といったメリットを強調する。
企業では、大手製造小売業が2020年7月から国内の店舗に無料給水機を順次設置し、来店した客が自由に給水できるサービスを行っている。さらに、大手流通グループからも同様のサービス開始について打診があり、検討を進めているという。店舗内で無料の給水サービスを始めれば、ペットボトルを含めた飲料の売り上げが落ちるのは明らかだが、本多氏は「企業はそれを承知のうえでペットボトル削減に取り組もうとしている。それほどプラスチックごみ削減は世界的に大きな流れになっていて、企業も危機意識を持っている」と話す。このほか、昨年5月のG7広島サミットでは、大手飲料メーカー、アサヒグループのアサヒユウアス(東京都墨田区)と連携し、国際メディアセンター内にマイボトル給水器としてウォータースタンドが設置された。
自治体や企業などとの連携によるウォータースタンド設置台数の増加、さらには同様のサービスを開始・展開する同業他社の増加などにより、ペットボトルの削減は想定以上のペースで進行。当初はハードルが高すぎると思われた「2030年までに30億本削減」という目標も「何年か前倒しで達成できそうな勢い」(本多氏)との見通しを示している。