確かな技術から生まれた国産アーチェリー用品は、契約選手のみならず、他の有力選手の間でも高い評価を得ていった。パリ五輪代表に内定している中西絢哉選手(シーアール物流)もその一人。アーチェリーでは、使用するアーチェリーの全パーツを同じメーカーの製品に統一する必要はなく、パーツごとに選択するケースが多い。中西選手は様々なパーツを試した末にDYNASTYのVバーを使用することになり、2021年10月の全日本選手権で初優勝を果たした。その後、他の選手から借りたDYNASTYのスタビライザーも気に入ったという。DYNASTY製品を使っていることを知った加藤氏は中西選手にアプローチし、現在は契約選手となっている。
また、ロンドンと東京でメダルを獲得し、パリ五輪で6大会連続となる代表に内定している古川高晴選手(近畿大学職員)も最近になってDYNASTY製品に切り替えた。古川選手とは、DYNASTY設立後、「UNITUBE」に何度か出演してもらうなど、つながりがあったという。さらに、同じくパリ五輪代表に内定している野田紗月選手(ミキハウス)らもDYNASTYの愛用者だ。
このほか、契約選手である上山友裕選手(三菱電機)と重定知佳選手(林テレンプ)はパリパラリンピック代表の有力候補である。今後の選考結果によっては、ほとんどの代表選手がDYNASTYを手にパリの大舞台に立つことになりそうだ。「アスリートが誇りをもって身に着け戦い、彼らの夢の実現を手助けする製品を、私たち社員が誇りをもって送り出す」という加藤氏の思いが設立から短期間で結実した格好だ。DYNASTY店長の不破氏もパリ大会に向けて「選手がベストパフォーマンスを発揮できるよう、パーツの調整などでサポートしていきたい」と話している。
さらに不破氏は「将来的には、日本選手だけでなく海外選手にも使ってもらい、“メイド・イン燕三条”の実力を世界に広めていきたい」との希望を持っている。4年前に“ものづくりのまち”で誕生したばかりのDYNASTYは早くも世界市場という的に狙いを定めようとしている。