アスリート以外からの需要も高い。コロナ禍では看護師ら医療従事者に重宝された。多忙を極めるなか、手軽に摂取できる点などが好評で、各地の病院やクリニックで活用され、東京医科歯科大学病院(東京都文京区)からは感謝状を受け取った。今年1月の能登半島地震では、被災地で支援活動を行うボランティア向けに提供している。「断水が続く被災地で、手を洗うこともなく飲むことができ、トイレの回数も抑えられる」と平子氏。
シニア層からも人気だ。シニア層は元々あんこになじみがあり、特に登山やスポーツに持っていくというアクティブシニアの購入が目立つという。さらに、介護老人保健施設では飲み薬をあんこに混ぜて高齢者に服用させているほか、「流動食しか食べられない親に和菓子を食べさせたい」として、介護する家族が購入するケースもあるという。一方で、発育途中にある子どもたちの食育にも役立てたい考えだ。「体が出来上がる前の子どもたちへの食育は欠かせない。食事の重要さを子どもたちに伝えていく活動もしていきたい」。“飲むあんこ”は子どもから高齢者まで幅広い世代で飲用される商品になりそうだ。
世界進出も目指している。しろあんのあっさりとしたまろやかな甘さと上品さをイメージしたアニメキャラクター「shiroAN(しろあん)」を起用した「shiroANプロジェクト」を展開。shiroANのイラストが描かれた商品を販売するほか、YouTubeなどのSNSを中心にVTuber(バーチャルYouTuber)としての活動を行っている。昨年、東京ビッグサイトで開催されたコミックマーケット(コミケ)に出展したところ、グッズの売れ行きは好調。今年夏にシンガポールで開催されるイベントにも出展する予定だ。「日本を代表する文化であるアニメという切り口で、あんこの認知度を高めていきたい。和食や日本酒など日本の食文化が世界的に注目されるなか、“飲むあんこ”という新しい文化を世界に届けていければ」と平子氏は話している。