2人のプロジェクトリーダーの一方を務めたマーケティング部商品開発グループI 主任の金谷美香さんは、開発の第一歩について話し始めた。
「まずはターゲットの見直しから始めました。というのも、これまでカップ焼そばのメインターゲットは若い男性でしたが、そのターゲット層だけを対象にした商品をつくり続けていても、シェア拡大につなげるのは厳しいと感じていたからです」
カップ焼そば=若年男性。それが既存のカップ焼そばの商品コンセプトだ。だから、味付け、容量、デザイン-どれもが若年男性を前提としている。が、今後とも同じ土俵(商品コンセプト)で勝負していても3強に対して独自色を出せない。そう判断し、思いきって発想を転換してみた。
「若い男性ばかりでなく、若い女性に食べてもらえるカップ焼そばを目指そうと考えました。女性だってカップ焼そばを食べてみたいという意識はあります」
カップ焼そばは発売(74年)から今日まで、若い男性の食べ物というイメージがあまりにも強く消費者に定着している。とくに容器に対する女性の印象はネガティブだ。いわく、「持ち運びが面倒」「大きすぎて食べにくい」「人目が気になる」などなど。
これらのネガティブ・イメージを解消しなければ、若い女性をターゲット層に加えるのは困難だ。特に「人目が気になる」というネガティブ・イメージは女性にとって致命的だ。それもそのはず、自宅ならまだしもオフィスで四角形の大きな容器に箸をつければ、「私、焼そば食べてます!」とわざわざアピールをしているようなもの。女性にとってあり得ないシーンなのだ。