こうした現象をとらえ、2010年の「30周年記念キャンペーン」では、CMキャラクターに(当時)小学生のお笑いコンビ「まえだまえだ」を起用。その話題性が奏功し、市場の拡大にさらに弾みがついた。中・高生がチーズを自分の小遣いで買って食べることはこれまでほとんど想定していなかったが、このさけるチーズに限ってはそのマーケットが確実に存在しているようだ。
先述のようにさけるチーズはシェアほぼ100%の市場独占型商品。他社との競合によってさけるチーズの市場拡大がもたらされるわけではなく、すべて独立独歩の取組みでその成長の成果が決まってくる。酒類のつまみ、子供たちのおやつ代わりのみならず、サラダのつけあわせ、冷やし中華の具材といった料理メニューの提案にも力を入れている。
顧客層の広さは、潜在需要の大きさでもある。6Pチーズやスライスチーズは一部海外産の原料チーズも使用しているが、さけるチーズは100%北海道産生乳を使用している。政府は、日本の酪農振興の一環として国産チーズの需要を増やす方針を打ち出しており、さけるチーズはその国策にも沿っているわけだ。
幅広い顧客層をとらえていて潜在需要が大きく、日本の酪農生産への貢献という観点から、雪印メグミルクはさけるチーズ生産のギアをさらに一段上げる。そのため12年度上期中に大樹工場を設備増強する計画で、すでに今年4月に着工した。新フレーバーも含むアイテムの拡大を選択肢のひとつとして、新たな拡大戦略に乗り出そうとしている。