もちろんブランドネームだけでヒット商品が誕生するわけではない。赤いきつねと緑のたぬきの最大の魅力は同社の自負するだしにある。発売当時、赤いきつねのつゆは東日本向けと西日本向けの2種だったが、2001年には関西向け、05年には北海道向けを加えて全4種の商品を展開している。中山さんはいう。
「だしにこだわりをもつがゆえの戦略です。よく知られるように、だしには地域性があり、そのニーズに対応しました。東日本向けがかつお節と昆布のだし、西日本と関西向けはかつお節、雑節、昆布、煮干し。そして北海道向けはかつお節と利尻昆布のだしを利かせています。赤いきつねが消費者に認知され、需要がさらに伸長していく中で、より地域性を強調する展開になりました。それは地域に根づいた商品を育成することが当社の方針でもあるからです」
一方、緑のたぬきは東日本、西日本、関西向けの全3種。もちろん赤いきつねのつゆとはまったく異なる味つけに設計している。
この両商品の売り上げ比率は赤いきつねがやや多いもののほぼ互角。そばは東日本、うどんなら関西、西日本というのが通り相場だが、赤いきつねと緑のたぬきに関しては地域の嗜好性もほとんどみられない。
「九州では関東ほどにそばを食べることが一般的ではありませんが、緑のたぬきはよく売れています。同じようにそばどころの信州でも赤いきつねはよく食べられています」(中山さん)
だしについては地域の食文化が色濃く反映されているが、うどんやそばの嗜好については地域性にとらわれず、むしろカップめんという食スタイルに普遍性が確立されているのだろう。