世代を超えて消費者のニーズをとらえ続けるロングセラーブランド。消費者の安心感、信頼感がそれを支えるが、その強みに安住したままでいるとやがて活性を失い、市場に停滞感がただようようになる。
食品スーパーの即席麺売り場に立って一瞥するとすぐ気づくように、袋麺は「サッポロ一番」のみならずほとんどがおなじみのロングセラーブランド。「おなじみ」というと聞こえがよいが、あえて辛辣に言えば「変わり映えがしない」ということにもなる。案の定その停滞感から、袋麺の年間生産量は2005年に20万食を割り込んで以降漸減を続け、10年にはついに16万8000食まで下がってしまった。
即席麺のメーカー各社はその立て直しに懸命になっており、サンヨー食品も最強ブランド「サッポロ一番」のシリーズを拡充することで打って出ている。その効果は発現し、最近は急速に売上げを伸ばしている。
「これまでとは違うやり方で市場が掘り起こされた。食生活の変化に向けて新しい提案をしてきたことが消費者マインドに火をつけたと認識しています」(末光さん)
「サッポロ一番」シリーズで売れ筋のトップ3は「みそラーメン」「塩らーめん」「しょうゆ味」が不動だが、それに迫る勢いで「ちゃんぽん」が4位に入り、「担々麺」「とんこつラーメン」「ピリ辛みそラーメンチゲ風」と続いている。
近年のうちめしブームの影響もあり、袋入りインスタントラーメンに対する消費需要に好転の兆しがある。各社ともこれまではカップのインスタントラーメンに注力していたきらいがあったが、ここにきて潮目が少し変わり始めているようだ。「サッポロ一番」シリーズも、そんな将来需要を推測しながら新しいメニュー開発に余念がない。