ポッカコーポレーション(以下、ポッカ)がスープ市場に参入したのが80年。ポタージュとベジタブルの2種類の缶入りスープを発売し、翌81年には粉末タイプのインスタントスープを発売した。その後「元気であいさつ」や具入りの「GOO」、「つぶコーンスープ」をリリースし、スープ事業を確実に拡大軌道へと乗せていった。
いまでは当然のように思われている具(コーンの粒)入りのスープだが、88年にポッカから発売された「つぶコーンスープ」が先駆けて粒コーンを入れた商品といわれ、この発売により売上げが伸びたという。
さらに96年には、文字どおり“じっくり”と企画を煮詰めて開発した「じっくりコトコト煮込んだスープ」を発売する。当時、小さな子どものいる家庭を中心に普及していたインスタントスープだったが、「じっくりコトコト煮込んだスープ」は大人も満足する本格派スープとして具や味わいにこだわった。その結果、ユニークなネーミング等がうけたこともあり、「じっくりコトコト煮込んだスープ」は消費者ニーズをしっかりとらえ、国内スープ市場における有力商品の1つへと躍進していった。
ポッカのスープ事業で基幹商品となった「じっくりコトコト煮込んだスープ」はシリーズ化され(「じっくりコトコト」シリーズ)、そのベースの「あらびきコーン」をはじめ、「緑野菜ポタージュ」「濃厚」シリーズ、カップ入りの「こんがりパンのはいった」シリーズなど14年間で多様なアイテムが開発された。そして2010年8月には、製法やパッケージにさらなるブラッシュアップがなされて全面刷新された。
この有力ブランド「じっくりコトコト」シリーズには3つの特徴がある。第1は「濃厚とろ~り。そのうえなめらか」というコンセプト。他社の商品がファミリーユースに重点を置いているのに対し、「じっくりコトコト」シリーズは「大人も満足できるワンランク上のスープ」をめざしている。
そのため具にもこだわり、コーンスープには粗挽きしたスーパースイートコーンを用いた。また、クラムチャウダーも本場の味わいをめざし、いわゆる「食べるスープ」に仕立て上げている。
第2はスープの決め手となるダシ。鶏ガラと肉の両方の旨味を抽出したダブルチキンエキスと野菜をいっしょにコトコト煮込んだ特製チキンブイヨンを使い、それによって味に深みを出している。
第3がなめらかさ。こだわった素材の味わいを活かすため、特性のクリームパウダーを独自に開発し、レストランで仕上げにクリームを入れたときのようななめらかさをめざしている。
10年の「じっくりコトコト」シリーズには、「あらびきコーン」「ホックホクじゃがいも」「クラムチャウダー」「とろ~りチーズ」「とろ~りかぼちゃ」「豆のポタージュ」「根菜ポタージュ」のアイテムがあり、売上げ実績比率では「あらびきコーン」がトップを占め、ついで「クラムチャウダー」が人気を集めている。