その人気のカレーが家庭でも簡単につくれる。それを謳い文句に1945(昭和20)年11月、「オリエンタル即席カレー」がオリエンタルから発売された。日本で初めての本格的なインスタントのカレールウだ。
当時のカレーは高級レストランで供される、もしくは上流階級の家庭で手間とお金をかけてつくられるものという考えが常識だった。しかし、第2次世界大戦の終戦によって時代も変わり、これからは庶民もカレーを楽しむ時代になる。そう直感したオリエンタル創業者の星野益一郎は、終戦直後に開発した代用あんこ(おからのような材料に砂糖と食紅を加えたもの)の大ヒットで得た資金を元手にカレーづくりを始めた。
当時のカレールウづくりは、小麦粉と脂(肉の脂肪)を炒め、そこにカレー粉を加え、さら肉と野菜のスープで溶かすという手間のかかる調理だった。その手間を省くため、粉末にしたインスタントのカレールウを益一郎は考案した。そして、それを45年に発売すると、オリエンタル即席カレーは瞬く間に家庭に広がり、カレーは高級料理から家庭の味へと変わっていった。