既存商品は市場になく真似(まね)をすることはできない。しかも、当時は現在のような科学的なアプローチ手法や研究施設があるわけではない。「金澤自身の舌と感覚で求める味を探していた」(ダイショー)。とんかつに振りかけ試食してみては「これはしょっぱい、これはこしょう辛い」と場合分けして、何度も試した。ひたすら実験を繰り返した結果、やっと「これだという素材の黄金比率を見つけ出した」(同)という。
塩やこしょう、うま味成分の化学調味料の素材の配合については、納得のいく比率を見つけることができた。ただ、問題がもう一つあった。出来上がった調合調味料を料理に振りかけてみたが、使うたびに味にバラつきが出てしまった。使い切る最後まで同じ味にならなくては商品として成立しない。
味が均等にならない原因を追及すると、素材の大きさが均一でないことに行き当たった。粒の形状が異なっていたため、出てくる素材のバランスが振るたびに違っていたのだ。これについては、マイクロメートル単位(マイクロは100万分の1)までこだわった微粒子に各素材を加工することで対応、最後まで均等な味になるように改良することができた。品質の問題は他にもあった。例えば、当初は一般的な食塩を使用していたため、商品が固まったり、穀類につく虫にも悩まされたりした。それでも、このような課題をひとつひとつ解決しながら、グレードアップにつなげた。