短時間でつくれるカレーの素とはいっても、味やカレーの生命線ともいえる香りが劣っていては見かけ倒しになってしまう。以前に開発したパウダー状のカレーを参考に、よりコクのある味わいやスパイス感が出るように検討を行った。
通常、肉や野菜などの具材を鍋で煮込むと、具材自体からアミノ酸などのうま味成分が出てくる。だが「香味カリー」の一つの特徴は、短時間でつくれること。煮込み時間が長くなるとコンセプトから逸脱してしまう。調理を簡単にするために具材を絞った。「ビーフカリーの素」では牛肉と玉ねぎで、また「チキンカリーの素」では鶏肉と玉ねぎだけで完成できるようにした。
具材を絞り、煮込み時間短くするには素材に頼らなくてもうま味が出るカレーの素にしなくてはならない。そのため、原材料にはオニオンパウダーやクリーミングパウダー、チキンブイヨンパウダー、にんにくパウダーなどうま味成分があるさまざまな素材をパウダーとして配合し、コクを出すように工夫した。「どれくらいの具量なら、どの程度のパウダー量が最適か、またどの素材のパウダーと具の相性がいいかなど山のような試作を重ねた。社内試食会や消費者テストをしては修正を繰り返し行った」と、マーケティング部の中川充子さんは開発当時の状況を振り返る。
また、カレーは味わいだけでなくスパイス感のある香りも重要な要素。香辛料は熱に弱く加熱し過ぎると香り立ちが低下してしまう性質がある。一般的なカレールウのように、ルウに香辛料を合わせて煮込む工程がないため、香辛料本来の香りを傷つけることなく、専門店のような香り立ちがするカレーの素の製造が可能となった。開発から約2-3年、フライパンを使い10分で調理ができるカレーの素は完成した。