徹底した管理システムは、顧客が食べ終わった皿を回収する仕組みにも表れている。皿をカウンターにある投入口から投入すると、水で調理場まで運ばれる仕組み。皿数はデジタル表示され、スムーズな精算を実現している。同社の店舗は、生産管理システムといい、決済システムといい一貫化した工場のように運営されている。加えて、顧客に楽しさを提供するアミューズメント性も持ち合わせる。5皿食べた時点でガチャ玉が当たるゲーム、携帯電話による予約システム、お客の携帯電話で手塚治虫の漫画を配信し待ち時間に読めるなどだ。
田中社長が目指す店舗像は「食のディズニーランド」。社名のくら寿司は、田中社長の出身地である岡山が蔵の街であり、子供の頃、蔵には何が入っているのだろうとワクワクした記憶から、わくわくを提供できる店になるよう命名したという。
この姿勢はメニューにも現れている。すしが80種類あるほか「ラーメン」や「うどん」「天ぷら」そしてスイーツなどのサイドメニューが40種類ある。「メニュー数はファミリーレストランよりも多いのでは」(中野マネージャー)というほどだ。メニューを増やすとコストアップ要因になりかねないが、「お客に喜んでもらえる取り組みなら、店のオペレーションが多少複雑になろうとも仕方ない」(同)と割り切る。競争が激しい業界では、常に新しい取り組みをしていかないと新規顧客は増えないからだ。攻めの姿勢で結果として顧客増につなげる考えだ。