よろず支援拠点への相談を契機に産学連携、さらには海外出展にまで発展したケースも。コロナ禍でピアノの演奏会やコンクールがなくなった影響でピアノシューズの販売が一気に9割以上も減少した。「この時期に商品強化を進めた方がいい」とするよろず支援拠点からのアドバイスを受け、自宅やピアノ教室など室内で演奏する際に履くシューズをはじめとした新商品の開発に着手した。その際に活用することにした茨城県の補助金では産学連携だと採択されやすいことから、筑波大学との共同研究をスタートした。
研究では、同大学の足立和隆准教授が筋肉負担や操作性の観点から検証を実施した。その結果、靴底の堅さや形状、踵部の湾曲が人間工学的に理にかなっており、少ないエネルギーでペダルを踏めるなどの結果が判明した。ペダリングは右足だけに力を込めて踏み込むが、発育期にある子どもの場合、骨の発達にはよくない。ピアノシューズを履けば偏った負担が解消されるという。
足立氏は研究結果を今年9月にドイツで開催される学会で発表する予定だ。これに合わせて会場ではピアノシューズの展示会を行うことになった。「国際的に活躍するピアニストが愛用しているという実績に加え、学術的なエビデンスをアピールしていくことで、国内だけではなく海外へ販路を拡大していきたい」と倉知氏は話している。