市場調査データ

宅配ピザ店

携帯電話やパソコンから簡単に注文ができ、おしゃれなイメージも併せ持つ宅配ピザ店は、若い女性を中心に人気が高い。以下では、宅配ピザ店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で47%、男性44%、女性50%となっており、女性の方が男性よりも利用率が高い(表1、図1)。利用率が最も高いのは20代女性(58%)であり、次いで30代女性(55%)、40代女性(54%)の順に利用率が高くなっている。

また、全体的に、「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が大きく、リピート率が低いこともうかがえる。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用経験者のうちで利用頻度が比較的高いのは、30代男性であると言える(図2)。30代男性利用経験者のうち44%が2~3カ月に1回以上利用し、28%が月に1回以上利用し、7%が週に1回以上利用している。

全体的には、65%が半年に1回以下での利用となっている。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額のボリュームゾーンは、全体で1000~1200円未満の範囲であると考えられる(図3)。利用経験者全体の17%が1回に1000~1200円を使い、16%が1回に1500~2000円を使い、15%が1回に2000~2500円を使っている。

最も利用率の高い20代女性では、1回に1500~2000円未満の範囲での利用(18%)が最も多く、次いで、1200~1500円未満、1000~1200円未満での利用がそれぞれ17%と多い。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全ての年代で女性の方が男性よりも高い(表2、図4)。とくに30代・40代女性の利用意向が高く、いずれも50%に達している。

宅配ピザの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、男女ともにおおむね若い年代ほど高い。とくに20代・30代女性の利用意向が高く、いずれも85%を超えている。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、50代女性以外は、全ての年代・性別でマイナスとなっている(図5)。

宅配ピザの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、全ての年代・性別に幅広く分布している。

20代~40代女性の高い利用率を維持しつつ、全体的にリピート率を向上させ、50代女性や男性など幅広い層の関心をいかに喚起し、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言えるだろう。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※公益財団法人 食の安全・安心財団資料によると、日本の飲食店市場規模は、2009年に12兆6,079億円だったものが2012年には12兆4,686億円と縮小している。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、現在の利用状況は傾向として若干下がっているとも考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2009年6月25日~7月9日

調査対象:

株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1192人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月