市場調査データ
ペット美容院(2013年版)
ペット美容院は、主に犬や猫を対象に、カット・トリミング・シャンプーなどを行なう事業所である。専業で行なう事業所も多いが、ペットショップや動物病院が併設して営業しているところも多い。以下では、ペット美容院についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で8%、男性7%、女性8%となっている(表1、図1)。
利用率が最も高いのは50代男性(17%)であり、他は50代女性(11%)、40代女性(9%)などで利用率が高い。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度に関しては、利用経験者全体で、「2~3カ月に1回(31%)」が最も多く、次いで「月に1回(27%)」という意見が多い(図2)。
利用経験者のうち「半年に1回以上」利用するユーザーの割合は、利用率の高い50代男性で77%、40代女性で75%、50代女性で73%となっている。また、40代女性の10%、50代男性の4%が「月に2~3回以上」利用している。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額は、「3,000円~5,000円未満」がボリュームゾーンであると考えられる(図3)。この範囲内に利用経験者全体の31%が収まっている。おおむね年代が上がるにつれて、1回あたり利用金額も多くなる傾向があるといえる。利用経験者のうち1回に3,000円以上を使うユーザーの割合は、60代女性で83%、50代男性で81%、60代男性で80%、50代女性で75%となっている。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で10%、男性8%、女性12%であり、女性の方が利用意向は高い(表2、図4)。
ペット美容院の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で32%、男性31%、女性33%となっている。消極的利用意向を持つ人の比率は、男女ともに若い年代であるほど高くなっている。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、20代女性にある程度まとまって存在していると考えられる(図5)。
ペット美容院の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、男女ともに若い年代であるほど高く、20代女性で最も高くなっている。
20代女性など、若い年代を中心とした層の関心をいかに喚起し、ターゲットを絞った販促施策などで実際の利用に結びつけていくかが、今後の成功の鍵といえるだろう。
図5 潜在需要
※一般社団法人ペットフード協会「全国犬・猫飼育実態調査 結果」によれば、国内の犬・猫の推計飼育頭数は、2010年で2,147万頭、2012年で2,128万頭と、ほぼ横ばいで推移している。本レポートのアンケート調査は2010年に行われたものであるが、現在の利用率等にも傾向として大きな変化は無いと考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
-
2010年8月3日~8月23日、11月19日~24日
- 調査対象:
-
WizBiz株式会社 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1249人)
- 調査方法:
-
インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月