市場調査データ
理容院(2013年版)
理容業界では今、若い男性客が美容院へシフトしていくなど、大きな変化が起きている。以下では、理容院についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で31%、男性が67%、女性が5%となっており、圧倒的に男性の利用率が高い(表1、図1)。年代・性別で見ると、年代が上がるほど男性の利用率が高くなっている。とくに50代以上男性の利用率が高く、50代男性、60代男性ともに利用率は82%となっている。逆に20代男性の利用率は他の年代男性に比べて低い。
また、20代男性では、「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が42%と大きく、リピート率が低いことも窺える。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度も、利用率同様、年代が上がるほど男性で高くなっている(図2)。利用率の高い50代男性では、利用経験者の85%が2~3カ月に1回以上利用し、35%が月に1回以上している。一方60代男性では、利用経験者の84%が2~3カ月に1回以上利用し、50%が月に1回以上している。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額に関しては、全体で見ると、3000円未満での利用経験者が大半(73%)を占めている(図3)。
年代・性別で見ると、60代男性の利用金額が比較的高く、60代男性利用経験者の47%が1回に3000円以上を使っている。逆に、20代男性の利用金額は低く、20代男性利用経験者の75%が1回に2500円未満で利用している。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、年代が上がるほど男性で高くなっている(表2、図4)。とくに60代男性では、66%が利用意向を示している。
理容院の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、30代以上の男性で80%以上となっている。一方、女性の消極的利用意向は、若い世代であるほど高くなっている。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、20代・40代・50代の女性にわずかであるが存在している(図5)。
利用に否定的な意向を持たない層をも加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、若い世代そして女性に多く存在している。
現在の男性の需要を維持し、20代男性のリピート率を上げつつ、若い世代そして女性の関心をいかに喚起し、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言えるだろう。
図5 潜在需要
※総務省統計局「家計調査(総世帯調査)」によると、家計1世帯が理容院(理髪料)にかける年間支出金額平均は、2009年で5,530円、2012年で5,199円となっており、わずかに減少している。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、現在の利用率等は若干下がっているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2009年6月25日~7月9日
- 調査対象:
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株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1192人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月