市場調査データ

スーパー銭湯(2021年版)

2021年11月12日

スーパー銭湯とは、一般的な銭湯設備に、露天風呂やジャグジーバス、サウナ設備、食堂、マッサージ室などを加えるなどして、銭湯の付加価値を高めた施設である。男女問わず幅広い層が利用する。以下では、スーパー銭湯について、消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を基に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で18%、男性21%、女性16%であり、男性の利用率の方が5ポイント高い(表1、図1)。
年代別・性別でみて利用率が比較的高いのは、20代男性及び30代男性(23%)、40代男性及び50代男性(22%)である。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、利用者層全体で、「年に1回以下(62%)」が最も多いが、20代男性や20代女性、40~60代女性では、「半年に1回」以上のペースで利用している人が4割を超えている。また、「週に2~3回」以上のペースで利用している人は、20代女性と60代女性で1割を超えている(図2)。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたりの利用金額に関しては、利用者全体でみると、「500円~1,000円未満」での利用が42%と最も多く、次いで、「1,000円~3,000円未満」(34%)での利用が多い(図3)。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「どちらかといえば利用したい(まあ利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で37%、男性40%、女性33%であり、男性の利用意向の方が高い(表2、図4)。
また、スーパー銭湯の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で68%、男性73%、女性63%であり、こちらも男性の方が高い。
年代別・性別にみると、とくに30代男性の利用意向が高く、積極的利用意向が43%、消極的利用意向は78%に達している。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、男女ともに幅広い層に分布しており、とくに60代男性(28%)や30代女性(22%)に多く存在している(図5)。
また、スーパー銭湯の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)も、すべての層で4割を超えており、とくに30代男性では55%に達している。
潜在需要は、男女とも幅広い層に存在しているが、女性に比べ男性の方が利用率、利用意向はやや高い。一方で、「週に2~3回」以上の頻度で利用している人は20代女性や60代女性で1割を超えるなど、利用頻度については女性の方が高い傾向がみられる。こうした点から、今後のスーパー銭湯の運営においては、潜在顧客に対する利用促進に加え、特定のターゲット層に対しては利用頻度の向上を図る施策が有効であると考えられる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元にした一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2021年7月14日~7月16日

調査対象:

国内在住の20代~60代男女(有効回答数:1,000人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2021年7月

関連記事