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第5回「アトツギ甲子園」決勝大会、経産大臣賞に株式会社あしだ 芦田氏:経済産業省
2025年 2月 21日
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経済産業省は2月20日、第5回「アトツギ甲子園」決勝大会を東京都千代田区の大手町プレイス&カンファレンスホールで開催した。地方大会を勝ち抜いた18名が新規事業プランを競い合い、経済産業大臣賞に株式会社あしだ(京都府南丹市)の芦田拓弘氏が輝いた。中小企業庁長官賞は豊実精工株式会社(岐阜県加茂郡)の今泉亮太郎氏が選ばれた。
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「アトツギ甲子園」は中小企業・小規模事業者の後継者が既存の経営資源を活かした新規事業アイデアを発表するピッチイベント。第5回は全国から189名がエントリーし、各ブロックで地方大会を開催し、選抜された18名が全国大会でビジネスプランを競い合った。
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最優秀賞の経済産業大臣賞を受賞した芦田氏は、閉鎖的な林業のサプライチェーンに、ITを導入し、全国の木材ユーザーが求める国産材を効率的に提供できるプラットフォームビジネスを3月にも始めることが評価された。芦田氏は「ここまで来るのは苦しかった。去年は近畿ブロックで落ちた。ゴールのない新規事業に思えたが、アトツギ甲子園に出ることで目指すべきゴールが見え、事業を加速度的に進められた。この大会に参加して跡継ぎは一人ではないと思った、これを見ているみなさんも是非一歩を踏み出してほしい」と、感極まった気持ちを表した。
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中小企業庁長官賞の今泉氏は、有害物質である六価クロムを使用しない表面処理技術「ERIN」を開発し、世界市場に向けて加工技術を普及させていく取り組みが評価された。また、優秀賞には、ニッケンかみそり株式会社 熊田征純氏、株式会社岡崎竜城スイミングクラブ 大森玲弥氏、有限会社育葉産業 栗田貴宏氏の3名が選出された。
表彰式には、タレントで株式会社TOKIO社長の城島茂氏がプレゼンターとして登場した。「第3回から関わっているが、年々レベルが上がっている。審査をされた方々は相当悩まれたのではないか。私もとても刺激を受け、まだ日本の未来は捨てたものではないと思った。これからも未来のアトツギに幸あれ」と参加者全員を賞賛した。
審査を行ったコクヨ株式会社社長の黒田英邦氏は「順位を付けるのは本当に難しかった。私もみなさんと同じアトツギで、社長になって10年がたつが、そのころのことを思い出した。みなさんと同じようにチャレンジして今がある。あきらめないことが大事。これからもチャレンジをしてもらいたい」とエールを送った。