売上アップの教科書

つられオーダーを誘発しよう(ついで買い5回目)

売上UPの「ついで買い」攻略術

2011年10月4日掲載
文:山﨑泰嗣(中小企業診断士)

オーダーをリードする人に注目!
回数などに気をつけて、オススメ品を案内しよう

飲食の席で、誰かにつられて注文することってありませんか?

隣の方が注文したメニューを、そのまま「わたしも!」といったことがある皆さんも多いはず。こういった現象が起きる背景を考えながら、売上アップの作戦を考えてみましょう。ホールスタッフができるちょっとした工夫で、注文はもっと増えます。

【つられ注文のポイント】
(1) 最初のオーダー:一番初めに注文するお客さま、声の大きなお客さまを覚えておこう!
(2) 2回目以降のオーダー:最初にオススメした商品をもう一度、2回目にもオススメしよう!
(3) テーブルの上をもう一度:テーブルの商品を確認しましょう。お客さまの状態でオススメを変えよう!

おすすめの方法

1つ目のポイントは、(1)「最初のオーダー」の時です。ホールスタッフが最初にオーダーを取る時、一番先に注文したり、同席の皆さんのオーダーをまとめたりする比較的声の大きなお客さまがいます。

まずは、この方に注目!このお客さまが飲食の場をリードしています。このお客さまを覚えておきましょう。具体的には、メニューを持っているお客さま、「ビール以外の人」とまとめているお客さま、飲料以外のメニューを先に発声するお客さまなどです。

こういった方に、お店のオススメ品をご案内しましょう。オススメ品は、当店自慢の逸品だったり、季節品など特別な仕入のメニューだったりします。商品力も高い場合が多いため、お客さまの満足にもつながります。

この時接客をするホールスタッフは、オススメ品の細かい説明を当然できるようにしておきましょう。お客さまの利用回数や人数によっては、必ずしも行う必要はありませんが、オススメ品を提示した後、少しでもお客さまが悩まれている感じがあれば、説明していきましょう。

お客さまがこういった話を「意気」に感じてくれることも多いので、「じゃあ」と注文につながることもあるのです。その際、同席されているお客さまが「では、私も」となれば、しめたものです。飲料でも、食べ物でも可能性があります。

もし注文してもらえなかったとしても、お客さまは、そのオススメ品を覚えておいてくれます。そして、これが2回目以降のオーダーに効くのです。

次は、(2)「2回目以降のオーダー」の時です。2回目、3回目の追加オーダーで、呼ばれたお客さまのところにうかがいます。この時、1回目のオーダーで覚えていたお客さまと目線を合わせながら追加オーダーをうけましょう。

そして、お客さまがメニュー表を見ながら少し悩んでいたり、探したりするタイミングがあれば、この時、1回目で提案したオススメ品をもう一度勧めてみましょう。思いのほか簡単にオススメ品を頼んで頂くことが可能な場合が多いです。召し上がった際には、感想を聞いてみるのもいいですね。お店やメニューのことをお客さまの心にグッと残し、次の来店にもつながります。

最後に、(3)「テーブルの上をもう一度」です。お客さまの何度か注文の品を運び、飲食も進んでからの「つられ買い」を狙います。多くの場合、和食でも洋食でも、前菜→メイン→しめ→デザートという形で喫食は進みます。居酒屋等の場合だと前後することもありますが、多くはこのパターンです。このパターンをうまく使って、つられ買いを誘発してみましょう。

ホールスタッフがお客さまのテーブルにうかがった時、テーブルの上をもう一度確認しましょう。どんなメニューが並んでいますか。メインがすっかりなくなっている状態?それとも、メインが少し残っている状態?いろいろな状態がありえますね。

普通のレストランや居酒屋において、一般的にお客さまは、1回か2回のオーダーでメインまでのアイテムを決めることが多いですね。「メインが途中」なのか、「しめまで終わっている」のか、「デザートも食べてしまっている」のかで、スタッフのお客さまへの問いかけも変わります。

例えば、「メインが終わった」お客さまには、ご飯ものや麺ものの提案だとか、それが終わっていればデザートの提案であるとか、提案はいろいろできるはず。デザートは別腹という言葉の通り、オススメデザートも効果大です。ホールスタッフは、お客さまのテーブルを確認しながら、飲食の場をリードするお客さまに向けて、新たなオススメ品提案、メニュー提案をしていきましょう。

お客さまは、せっかくの大切な時間と食欲を皆さんのお店に使っています。「お金を払ったけど、大満足だね」と笑顔で思ってもらえるような「きっかけ」を作るのは、ホールスタッフの皆さんです。「きっかけ」をうまく提供して、お店が得意とし、自慢できるオススメ品を、もっと多くのお客さまに飲んで、食べて頂き、売上UPにつなげましょう。

掲載日:2011年10月 4日