業種別開業ガイド

ブティック

  • 最近のブティックは、ファッション性重視、OL対象のカジュアル製品をおく、肥満系をターゲットにするなど、より専門化する傾向にある。こうしたニッチを狙うため、まずは狙いのコンセプト作りから始める。これからの少子化・高齢化を視野に入れることも必要である。商品の回転率は比較的低いため、これに耐えられる運転資金の準備や、低迷しているかに見える陳列にも工夫を重ねるなどの努力が必要である。
  • ターゲットやコンセプトによって、立地、店舗規模、品揃えが変わる。ファッション性を重視するのであれば大型商業集積の側に立地し、その集客力を利用することも考えられる。ニッチを狙うのであれば、他のジャンルの品物を入れたくなるのを抑えて粘り強く当初のコンセプトなり、狙いを外さないように成長期に持っていく努力が要求される。

1.起業にあたって必要な手続き

  • 起業にあたって必要な許認可はない。所轄税務署に開業届(個人法人とも1部)をだすなど、一般的な手続きをとる。
  • 商店街で開業する場合は、商店街振興組合などから加盟の要請がある。商店街で行なうイベントに参加したり、ポイントカード制度を利用して、固定客を確保したり種々の利便を利用して集客力を強化できるため、加盟することが望ましい。

2. 起業にあたっての留意点・準備

  • 営業形態としては、卸問屋を中心とした独立型の店舗が多いが、フランチャイズ形式の店舗も見受けられる。
    • 独立型営業 商店街などに立地する、周辺の主婦層を顧客とするタイプの店舗で、顧客の志向をより掴んだ店舗展開ができる点で、地域のコミュニティービジネスといえるものである。問屋からは、ファッション情報を取り入れ、周辺の顧客である主婦層との会話の中から購買動機を引き出せる等、事業のやりがいにも繋がる利点がある。
    • FC型営業 商店街や大型商業集積に入り、その周辺で専門性を生かしたニッチな市場をターゲットにした営業形態である。独立型よりはフランチャイザーからの最新情報を入手することにより、ファッション性の高い品を顧客に提供する。
  • 大型スーパーやディスカウントストアーとの価格競争に巻き込まれると事業として成り立たなくなる恐れがあるため、これら業態の動きには注意が 必要である。大店舗は組織が大きいだけに動きはそれほど早くない。独立店としては問屋筋からの情報を早期に把握し、大型店が取り扱う前に売ってしまうなど戦略が必要である。
  • ブティックのような業種は、顧客が店舗のムードで購買動機を刺激されたり、店員の最先端の情報の提供を受け、自分だけが先に入手できる場合に購入するケースが多い。そのため、問屋情報を入手することと、店員教育は非常に大切である。
  • 仕入れに対する支払条件の交渉は慎重に行なう。支払サイトを長期にする、現金比率を下げる、在庫投資を少なくするなどを十分に検討・交渉する。

3. 必要資金例

商店街の間口2間、奥行3間、6坪のブティックの必要資金例
(単位:千円)

創業に必要な資金項目と金額を例示した表
  • 制度融資を利用する
    • 開業する場合には、都道府県の制度融資等を利用することができる。融資限度額は300~500万円が多く、金利率は2~3%で、金融機関からの融資よりは有利な融資を受けることができる。詳細な事業計画書を準備して、都道府県等の融資相談窓口に相談するとよい。

4. ビジネスプラン策定例(商店街で近隣の主婦層の女性顧客に焦点を合わす)

●初年度売上計画例

(単位:千円)

年間売上計画を例示した表

●モデル収支
(単位:千円)

初年度から5年目までの損益計画を例示した表

●初期投資回収    4年度

  • 売上計画やシミュレーション数値などにつきましては、出店状況によって異なります。また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。

最終内容確認日2014年2月

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