商品の独自性を発揮するためには、そのための仕入れルート開拓が必要。
固定客を確保するための工夫が必要。
園芸店開業の8ステップ
園芸店の開業に必要な手続き・役立つ資格
植物を卸売市場から直接仕入れる人は、一般的に「買参人(ばいさんにん)」と呼ばれる。一方、小規模営業の人は、「買出人(かいだしにん)」と呼ばれる。
たとえば東京都が管理する大田花き市場では、卸売業者から仕入れるルートと、仲卸業者から仕入れるルートが存在する。まずは、仲卸で小ロットの品を仕入れるため、「買出人章」を取得。3年以上経過して仕入れの実績を積めば、セリに出て大量の品を仕入れることが可能となる「売買参加権(買参権)」も取得できる。ただし花き市場の中には申請を必要としない市場もあるため直接、市場に確認が必要だ。
園芸店を開業するにあたり、上記以外に必要な資格は特に存在しない。ただし、資格をもっていれば質の高い提案をし、来店者の信頼を得るのに役立つ。
代表的なものは日本家庭園芸普及協会が資格認定する「グリーンアドバイザー」で、「植物の育て方についての正しい知識や、園芸・ガーデニングの魅力や楽しさを伝えることのできる人に与えられる称号」とされている。「フラワー&ガーデンショウ」をはじめとするさまざまな協会事業の企画や運営に参加する機会が得られ、登録証やステッカーを用いて取得をアピールできる。「園芸ソムリエ」などの各種称号を取得する入り口にもなる。
日本生活環境支援協会が手がける「ガーデニングアドバイザー」も、「基本的なガーデンデザインの知識・技術・技能を有していることを認定」している。日本フラワーデザイナー協会が主催する「フラワーデザイナー資格検定試験」は50年以上の歴史があり、フラワーデザイン、フラワーコーディネートの知識が得られ、販売にも役立つ。
その他、色彩検定や観葉植物に関する知識を問われる「グリーンマスター」なども存在する。コンセプトやターゲットに応じ、使えるものがあれば検討しておきたい。
園芸店の開業費用
園芸店の開業においては、店舗の賃貸料、内装・外装費、什器・資材の費用、園芸植物を仕入れるための費用、運搬車両などが必要になる。水道光熱費、電話代などのランニングコストもかかるため、3カ月〜半年間の運転資金、できれば売上の1年分を用意しておきたい。以下は概算としての費用例である。
園芸店の売上イメージ
定期的に生花や観葉植物が必要となる企業や店舗との契約が取れれば、年商1,000万円を超えるケースもある一方、個人で園芸店を開業した場合は300~500万円程度の売上が多い。最近ではオンラインショップで贈答用の観葉植物に特化して販売することで成功している事例もある。植物そのものに、立札(名札)・メッセージカード・リボンなど付加価値をセットにして配送するサービスだ。利用者のニーズをとらえてそれに応えられるアイデアさえあれば、園芸店という業種の枠組みを拡張して、売上を向上する余地はまだまだありそうだ。
以下に「花・植木小売業」「苗・種子小売業」の黒字企業の営業データを参考として示す。複数店舗展開をしている事業者も多く、その全体の合計数値となっている。
※売上イメージの数値は、開業状況等により異なります。
(本シリーズのレポートは作成時点における情報を元にした一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)