市場調査データ

猫カフェ

猫カフェとは、店内の飼い猫と顧客が自由に触れ合える空間を提供する新業態のカフェである。認知度はまだ低いが、潜在需要は若年層を中心とした幅広い層に存在していると考えられる。以下では、猫カフェについての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で3%、男性2%、女性4%となっている(表1、図1)。

年代・性別に見ると、利用率が比較的高いのは20代女性(7%)であり、次いで、20代男性(6%)、40代女性(6%)、30代女性(5%)の利用率が高い。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、年代・性別でバラツキがあるが、利用経験者全体では、「年に1回以下(40%)」が最も多い(図2)。一方で、「月に1回」以上利用するユーザーも39%程度存在している。「週に1回」以上利用するヘビーユーザーは利用経験者全体で17%程度存在しており、一部に根強いユーザーも存在していることがうかがえる。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回(1人)あたり利用金額は、年代・性別でバラツキがあるが、利用経験者全体で、1,000円以上での利用者が過半(54%)となっている(図3)。1回あたりに3,000円以上を使うユーザーも37%程度存在しており、比較的高額での利用者が多いことが特徴的だといえる。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で14%、男性9%、女性19%であり、女性の利用意向が高い(表2、図4)。また、積極的利用意向はおおむね若い年代ほど高くなっている。

猫カフェの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)も、女性の方が高く、また、男女ともにおおむね若い年代であるほど高い。とくに20代女性の消極的利用意向の割合は63%に達している。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、全ての年代・性別でプラスとなっている(図5)。とくに女性、そして若い年代に大きな潜在需要があるといえる。

猫カフェの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、男性では30代を中心に、女性では20代を中心に、幅広い年代に存在していると考えられる。

認知度を上げ全体的に利用率を高めるとともに、若い層を中心とした幅広い年代(とくに女性)の関心をいかに喚起し、実際の来店に結びつけていくかが、今後の成功の鍵といえるだろう。また、図1で、「利用経験あるが、現在利用していない」人の割合が利用率と比べると高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえるので、ポイントカードの導入や新しくデビューした猫をメルマガ等で案内するなど、既存顧客のリピート率向上に努めることも重要だといえる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※公益財団法人 食の安全・安心財団資料によると、日本の飲食店市場規模は、2010年から2012年にかけては12兆2,000億円~12兆5,000億円の間で安定的に推移している(乖離幅は2.5%未満)。本レポートのアンケート調査は2010年に行われたものであるが、現在の利用状況に大きな変化は無いものと考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2010年8月3日~8月23日、11月19日~24日

調査対象:

WizBiz株式会社 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1249人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月