調査

中小企業の約6割が賃上げを実施予定:日商と東商

2023年 4月 4日

日本商工会議所と東京商工会議所が実施した「最低賃金および中小企業の賃金・雇用に関する調査」によると、2023年度に「賃上げを実施予定」と回答した企業は58.2%と6割近くに達し、昨年同時期を12.4ポイント上回った。このうち、業績の改善はみられないが、賃上げを実施する「防衛的な賃上げ」を予定している企業は62.2%にのぼった。

賃上げを予定している理由では、「従業員のモチベーションの向上」を挙げる企業が77.7%と最も多く、次いで「人材の確保・採用」が58.8%と続いた。また、物価上昇への対応を理由に挙げる企業は51.1%と昨年の同時期から26.7ポイントもアップ。厳しい経営状況の中、人材を確保するため賃上げに踏み切る中小企業が増えていることが浮き彫りとなった。

一方、人手不足の状況については、「不足している」との回答が64.3%と昨年同時期から3.6ポイント増加。業種別では、建設業、情報通信・情報サービス業、運輸業、介護・看護業、宿泊・飲食業の5業種で7割を超えた。

2022年10月の最低賃金引き上げ(全国加重平均31円)を受けて、「最低賃金を下回り、賃金を引き上げた」という企業(直接的な影響を受けた企業)は38.8%。 2023年度の最低賃金額の改定について、最低賃金を「引き上げるべき」と回答した企業は42.4%となり、「引き下げるべき」「現状の金額を維持すべき」との回答(計33.7%)を上回った。

調査は2月1日~28日、全国47都道府県の中小企業6013社を対象に実施された。各地の商工会議所職員が訪問やメールなどで調査。回答企業数は3308社(回答率55.0%)だった。

詳しくは、日本商工会議所のホームページへ。

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