中小タスクが行く!

第6回:SNSリスク対策編

2019年 6月 10日

第6回:SNSリスク対策編 経営のお悩みスバッと解決 中小タスクが行く!

炎上で倒産危機!?
SNSのリスクマネジメント!

とあるスーパーの店内。従業員がツイッターに公開した記事を見て驚く店長。こんな変な料理を提案しちゃだめだよ!と怒る店長に、記事を載せた若い女性従業員はきょとんとするばかりで、怒られている意味がわからないようだ。店長がうどん屋に行き、ため息をつきながら昼食を食べていると、店内のテレビからSNSによるバイトテロのニュースが流れてきた。「他人事じゃないぞ。うちの投稿が炎上でもしたら倒産だ。」と店長がつぶやいていると、うどんをすすりながら「どうやらSNSでお悩みのようですね。」と声をかけてきたのは中小タスク。バイトテロのニュースを見るたび心配になってしまってと相談する店長。

バイトテロで大炎上!? リスクマネジメント、してますか?

スマートフォンの普及にともない、利用者数が増加の一途をたどっている SNS(Social Networking Service:ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。

平成29年版情報通信白書(総務省)によると、「LINE」「Facebook」「Twitter」などのSNSを利用している人の割合は、2012年では41.4%でしたが、4年後の2016年には71.2%にまで上昇しました。同調査による年代別の統計では、2016年には20代では97.7%、30代では92.1%が、なんらかのSNSを利用していることもわかっています。

【代表的SNSの利用率の推移(全体) 】
「LINE」「Facebook」「Twitter」などのSNSのいずれかを使用

代表的SNSの利用率の推移(全体)

【代表的SNSの利用率の推移(年代別) 】

代表的SNSの利用率の推移 20代
代表的SNSの利用率の推移 30代

(出典)総務省情報通信政策研究所「情報通信メディアの利用時間と情報行動による調査」より編集・加工

SNSを通じて、誰もが世の中に向け、気軽に情報発信ができるようになった現在。一方で、情報リテラシーが未熟な人たちのモラルが欠如した投稿も容易となり、それが企業活動に影響を及ぼすシーンが増えてきました。

2013年には、某宅配ピザチェーンのフランチャイズ加盟店で、アルバイト店員が冷蔵庫に入るなどの不適切行為の写真をSNS上にアップロードして大炎上。加盟店の信用が著しく損なわれる結果となり、2015年には事業停止、翌年には東京地裁から破産開始決定を受けることとなりました。情報リテラシーの低い一部のアルバイト店員が、不適切行為をSNSにアップロードしたことで、企業イメージが損なわれて、経営破産に至った事例です。

他にも、従業員のSNS利用に起因する過去の炎上事例として、以下のようなものが挙げられます。

< SNS利用に起因する過去の炎上事例 >

  • 商品や備品の破損、不衛生な行動などの「悪ノリ」の投稿
  • 個人所有アカウントと勘違いするなど、誤操作の投稿
  • 著名人の来客情報などの情報漏えい、プライバシーの侵害
  • 受け取り方によって不謹慎と捉えられる、事件や災害等に関する発言
  • 受け取り方によって名誉毀損となり得る、中傷や失言
  • SNSを用いた不適切なキャンペーン活動
  • 「ブラック企業」と解される事情の内部告発

企業や従業員のSNSアカウントの炎上により、営業停止や販売停止につながれば、その経済的損失は計り知れません。さらに、その後の対応によっては、企業の信用までも失うことになりかねません。こうしたことを懸念して、近年では、SNSを24時間監視するサービスを行う事業者と契約したり、炎上をいちはやく把握するためのモニタリングツールを利用する企業が増えています。

同時に、企業には、就業中の個人の携帯端末でのSNS利用を制限する旨を就業規則に記しておくことや、定期的に従業員のITリテラシーを高めるための研修を社内外の有識者を活用して行うことが推奨されるようになってきました。

中小タスクは店長に対して「SNSによるPRは大きな効果があるが、リスクマネジメントのために、運用方法などを整備しなければならない。まず、SNSの利用目的や禁止ワードをルール化し名誉毀損、プライバシーの侵害、悪ノリ、誹謗中傷などに当たらないように従業員に徹底周知させること。そして投稿は複数人でチェックすること。そして万が一に備えて炎上対策フローを策定しておくことも必要で、素早く対応すれば鎮火も早まる」と説いた。店長も感心してメモを取っている。その後日、中小タスクがスーパーのSNSのその後がふと気になりツイッターを表示したところ、スーパーの商品を題材にした可愛らしいポエムが投稿されていた。

万が一に備えよう!
ソーシャルメディアポリシー策定のポイント

SNS炎上に備えるために、大企業を中心に、
ソーシャルメディアポリシーの策定が進んでいます。

ソーシャルメディアポリシーとは、企業がソーシャルメディアを使用するにあたり取り決めたガイドラインのこと。企業のマーケティングツールとして、今や欠かせないものとなりつつあるSNSですが、利用のためのガイドラインを事前に策定しておくことで、炎上につながる投稿を未然に防いだり、万が一炎上したときに速やかに鎮火させるための行動に移れるようになったりします。

ソーシャルメディアポリシー策定のポイントは、次のようなものです。
ポイント1

まずは、SNS運用ガイドラインを設定

炎上を未然に防ぐためには、企業全体の取り決めとして、SNSの使用目的や禁止語句などをルール化し、ガイドラインを設定しておきましょう。ガイドラインは、SNS運用担当者だけでなく、すべての従業員に周知し、共有してもらうことが重要です。


ポイント2

SNS投稿担当者を明確化する

SNSの投稿担当者を決めておきます。企業によっては、日によって担当者が異なることがありますが、その場合、ガイドラインが十分に共有されていないこともあり、不適切投稿につながるリスクが高まります。


ポイント3

投稿内容のルール化

SNSの投稿担当者が複数いる場合、投稿にまつわるルールを明確にしておくと、効率のよい投稿が可能になります。その場合、以下のような点についてルール化しておくとよいでしょう。

  • 更新頻度、更新のタイミング
  • 投稿内容(自社商品、新着情報など)の策定
  • 投稿者のキャラクター設定
  • 企業SNSアカウントの管理責任者の明確化

ポイント4

投稿内容は複数人でチェック

企業の公式アカウントでの投稿が、受け取り方次第では誰かを傷つける内容になっていないかどうか、常に念頭に置いた状態で、投稿前チェックを行いましょう。受け取り方は人によって異なるため、SNS運用担当者だけでなく、社内で二重・三重にチェックをすることも重要です。


ポイント5

炎上した場合のフローを策定しておく

それでも炎上してしまった場合のフローを策定しておきましょう。そうすることで、関係部署へのスムーズな連絡が可能になり、迅速な対応をすることができます。フローを策定する場合は、以下の点を盛り込んでおくとよいでしょう。

  • SNSアカウントの当該投稿を削除するタイミング
  • 社内の報告フロー(SNSの炎上発見者→対応部署→法務部など、各部署との連携方法について)
  • 対応部署の明確化
  • 事実関係の調査方法
  • 弁明や謝罪方法、そのタイミングについて

近年では、ソーシャルメディアポリシーを公開している組織が増えていますので、
策定の際にはぜひ参考にしてみてください。


迅速で真摯な対応が信頼回復への近道

万が一、あなたの企業のSNS投稿が炎上した場合、不適切投稿の拡散を最小限に抑えるには、企業側が不適切投稿にまつわる事実関係の調査を迅速に行い、消費者や関係者への丁寧な対応を公式コメントなどを通じて発信していくことが、何よりも重要になります。真摯な姿勢で積極的に対応することを心がけましょう!

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