大手自動車メーカーが中古自動車販売業に参入するなど競争が激化している
中古自動車の需要拡大に伴い仕入れ価格が上昇傾向にある
開業のステップ
中古自動車販売業を開業するには、警察署の公安委員会に古物営業法の許可申請を行うなどの手続きが必要になる。具体的な開業の流れと必要な手続きは、次のとおり。
ステップ1. 古物商許可を取得する
中古自動車販売店を開業するにあたり、企業(店舗)の所在地を管轄する警察署の公安委員会に行き、古物商許可証を取得する必要がある。手続きには、必要書類とともに古物商許可申請の手数料として19,000円を提出する。
ステップ2. 自動車リサイクル法引取業を登録する
中古自動車販売だけでなく、廃車を引き取る業務も行う場合は、役所や保健所の担当窓口に行き自動車リサイクル法引取業登録を行う必要がある。手続きには、必要書類とともに住民票と5,000円程度の手数料を提出する。
ステップ3. 自動車リサイクルシステムに登録する
中古自動車の引き取りや解体、部品取りを行う場合は、公益財団法人自動車リサイクル促進センターに行き、自動車リサイクルシステムに登録する必要がある。
ステップ4. オートオークションに会員登録する
業者間で中古自動車を売買するオートオークションへ登録することで、幅広い仕入れルートを確保することができる。オークションはインターネットを介したものから直接会場で行う現車オークションなどがあり、会員登録しておくと仕入れや販売の機会を増やすことが可能だ。
ステップ5. 保険代理店として登録する
自動車を購入した場合は自賠責保険への加入が義務付けられているため、保険代理店として登録しておくことで、顧客側の手間を省き利便性を高めることが可能だ。保険代理店として登録するためには、試験を受け損害保険会社と代理店委託契約を締結する。
ステップ6. 税務署へ必要書類を提出する
中古自動車販売業を個人事業主として開業する際は、開業届をはじめ、所得税の青色申告承認申請書、青色事業専従者給与に関する届出書、所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書、事業開始届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書などを提出する必要がある。法人の場合には、法人設立届出書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書などを提出する。これらの書類には、提出しなければならない書類と任意の書類があるため、事前に税務署で相談すると良いだろう。
中古自動車販売業に役立つ資格
中古車販売業を開業するにあたって必要な資格は特にない。ただし、中古自動車販売士(*)は販売員として必要な知識や技術があることの裏付けとなり、クライアントの信頼を得るのに役立つ。
中古自動車販売士は、教育、試験、認定により販売員の能力を底上げすることを目的としており、中古車関連の法律やルールを学べるほか接客スキルも習得できる。資格取得後は、専用ののぼりや認定証を展示することで集客効果も期待できる。
(*)中古自動車販売士の詳しい情報は、こちら(一般社団法人 日本中古自動車販売協会連合会)をご確認ください。
また、自動車を解体してスクラップにすることができる「自動車解体業許可」、引き取った廃車から部品を取り出し販売できる「自動車引取業登録」、自動車からフロン類を引き取ってリサイクルを行うことのできる「フロン回収業許可」などを取得することで、事業拡大を図ることが可能だ。
開業資金と運転資金の例
開業にあたって必要になる費用としては、以下のようなものがある。
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物件/土地取得費、設備工事費:初月家賃、敷金、礼金、保証金(家賃の6~10カ月程度のことが多い)、内外装工事、看板工事など(内容により大きく変動する)
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什器備品費:パソコンや事務用品、整備機材や整備機器など
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仕入費:コンセプトや規模に応じた車両、ETC・ナビなど
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広告宣伝費:ホームページ制作費、広告チラシ制作費、印刷費など
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各種申請手数料:古物商許可証取得費、法人登記手続き費など
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求人費:求人媒体の利用費、人材紹介費など
また、フランチャイズの場合には、別途加盟金やシステム導入費、保証金、研修費が掛かる。
中古自動車販売業を開業する際は、個人事業とフランチャイズ加盟とで開業資金と運転資金が異なる。以下では、個人事業などの小規模経営とフランチャイズ加盟の2パターンに分けてシミュレーションを行う。
開業にあたっては、金融機関の他、政府系の日本政策金融公庫も利用できる。創業を支援する「新規開業資金(中小企業経営力強化関連)」、認定支援機関の助言があれば金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」などの融資制度がある。
売上計画と損益イメージ
中古自動車販売業を開業した場合の1年間の収支をシミュレーションしてみよう。
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事業形態:個人事業(従業員0人)
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実店舗を持たず、自宅でネットショップを開業
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注文販売(在庫なし)
月間売上台数:5台
年間売上台数:60台
平均客単価:100万円
とすると、
月商:500万円
年商:6,000万円
となる。
次に、損益イメージを算出してみよう。
上表の運転資金例(個人事業)を想定すると、
年間支出:約5,280万円
初年度売上高:6,000万円
売上総利益:約720万円
となる。
販売台数が伸びれば、さらに高収入も狙える。数ある中古自動車販売業の中から選ばれるには、ユーザーのニーズを熟慮したサービスを展開したいところだ。例えば、マニア向けの車種や便利な装備など、独自性のある提案ができると注目度が高まる。あわせて、問い合わせにも丁寧で行き届いた対応ができれば、ショップの信頼を獲得できるだろう。さまざまな挑戦を楽しみながら経営できるのは、個人事業の魅力ともいえる。
一方、フランチャイズに加盟すると中古自動車販売業のノウハウを得られるメリットがある。企業によっては、個人で開業するよりも初期費用が抑えられるケースもある。1人での開業に不安がある人は、まずはフランチャイズに加盟するのも選択肢のひとつだ。フランチャイズでも在庫を持たないプランがあるので、うまく利用して低予算でスタートし、市場の動向がつかめてきたら独立して規模を広げていくと良いだろう。
※開業資金、売上計画、損益イメージなどの数値は、開業状況等により異なります。
(本シリーズのレポートは作成時点における情報を元にした一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
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