起業マニュアル

投資・調達計画の書き方

投資・調達計画の書き方

起業にはお金がかかります。何にいくら必要なのかを明確にし、そのお金はどこから準備するのかを計画していきます。具体的には、長期的に使用する設備や備品の費用を自己資金で用意したり、金融機関から借りたりといったことを予定していきます。
ここでは、これらに係わる投資・調達計画の記載ポイントを確認していきます。

投資調達計画の記載ポイント

1. 設備資金の考え方

設備資金は事業を行うために一時的に必要な設備にかかるお金のことです。小売業であれば、店舗の内装や什器、飲食業であれば、店舗の内装に加え、ホールの客席のテーブルや椅子、調理作業台やグリルなどの厨房の機器、サービス業であれば、事務所のデスクやパソコンなどにかかる資金です。また形のあるものだけではなく、ホームページの開設や回線の設置にかかる費用が含まれます。
次に考えるのは、どのくらいのレベルのものを準備したらよいかです。事業のコンセプトや提供する商品・サービスに欠かせないものについては、それに見合う有益なものを検討すべきです。しかし、起業時には様々な費用がかかります。中古やリースも含めて検討し、なるべく支出を抑えていきましょう。
小さく産んで大きく育てるという発想を持ち、必要最低限で投資を計画していくとよいでしょう。

2. 運転資金の考え方

運転資金は、事業を行うために日常的に必要なお金のことです。例えば、人件費、外注費、広告費などの諸経費が該当します。また、商品や材料の仕入れ代、賃料や納付する税金も運転資金になります。
起業時においての必要な運転資金は、これらの費用の3~6ヶ月分、月商の2倍前後といった見方があります。いざ事業を開始してみるとなかなか売上が伸びない、あるいは予定以上の費用がかさむといった事態もありえますので、運転資金は余裕をもって準備するようにしましょう。

3. 自己資金の考え方

自己資金については、起業前に十分に準備しておくことが大切です。
起業時にある程度の初期投資が必要な飲食業などの業種は、500~1,000万円程度、その他の業種でも数百万円は準備しておくとよいでしょう。

4.借入による調達

金融機関からの借入を検討する場合は、起業に必要な資金総額の3~5割程度の自己資金を確保するようにしましょう。自己資金がしっかりと準備されているということは、事業計画が練られているのと同じように、本気度が高いう印象につながります。起業するために、資金をコツコツと貯めてきた人は、借入を依頼する金融機関からも良い評価を得られるはずです。
親族からの借入を検討する場合は、対外的には自己資金と同等に見られることもありますが、厳密に考えれば将来、返済が必要になる借入です。親族とはいえ、むやみに借りるのではなく、自己資金を確保したうえで、必要額を借入することが大切です。

投資・調達計画フォーマット

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