法律コラム

中小企業と働き方改革関連法(第3回)-同一労働同一賃金-パート・有期法

2019年10月21日

解説者

特定社会保険労務士 野村孝太郎

目次

  1. 1.不合理な待遇差の禁止等の規定
  2. 2.「ガイドライン」-不合理な待遇差等に関する考え方
  3. 3.待遇差の点検と見直し
  4. 4.待遇差についての非正社員への説明
  5. 5.行政による紛争解決支援、企業の取り組みのサポート等

はじめに

同一労働同一賃金?

「同一労働同一賃金」と聞いて、経営者の皆様はどんなイメージをお持ちになりますか。

  • 「何をもって同一労働というのだろう?」
  • 「仕事の責任とか、経験、能力で賃金が違うのは当たり前では?」

いろいろと疑問がわいてくると思います。労働時間の上限規制や年休の取得義務のように規制の具体的な水準が見えず、自社の賃金制度にどう影響するのかもハッキリしないのではないでしょうか。

同一労働同一賃金を規定しているパート・有期法※の視点は、仕事の内容・責任、能力や成果等の様々な要素の違いに応じてバランスのとれた待遇か(均衡待遇)、違いがないならば同じ待遇か(均等待遇)です。パート・有期法は、パート労働法と労働契約法の有期労働契約関係にあった「不合理な労働条件・待遇の禁止」や「差別的取扱いの禁止」の規定を受け継ぐとともに、「不合理な待遇差」についての考え方を明確にしました。同一労働同一賃金に関連する規定の改正は図表1のとおりです。

図表1

※正式名称は、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」

パート・有期法のポイント

パート・有期法のポイントは次の3点です。中小企業への法律の適用は2021年4月1日からになります(中小企業の定義は、本シリーズ「総論」の図表2のとおりです)。

  • 不合理な待遇差の禁止
    同じ企業内で、正社員と非正社員との間で、不合理な待遇差を設けることが禁止されました。どのような待遇差が不合理なものかについての原則的な考え方と問題になる例などは「ガイドライン」※で示しています。なお、本稿で「非正社員」とは、短時間労働または有期契約労働のいずれか、または両方に該当する労働者のこととします。
    ※正式名称は、「短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針」(平成30 年12 月28 日厚生労働省告示第430 号)
  • 労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
    「正社員さんは通勤手当があるのに、パートの私にないのはなぜ?」。非正社員の人たちは、正社員との待遇差に疑問や不満を持つことがあると思います。パート・有期法は、このような状況を解消するため、雇入れ時の説明に加えて、雇入れ後に正社員との待遇差について非正社員から説明を求められたときは、「待遇差の内容、理由」などについて説明することを使用者に義務づけました。
  • 行政による事業主への助言・指導や中立的機関による解決の支援
    正社員との待遇差に関する問題は、企業内での解決が望ましいものですが、それが難しい場合もありえます。パート・有期法は、都道府県労働局長の助言・指導や、労働局内に設けられた調停機関での解決という行政支援の仕組みも整備しました。

1.不合理な待遇差の禁止等の規定

(1)パート・有期法第8条——同一労働同一賃金の基軸

自社の正社員と非正社員の待遇差が不合理なものか否か判断する際の基本になる規定です。なかでも、中心は次の部分です(〇付数字は筆者が挿入)。

短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の
①業務の内容及び業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という)、
②職務の内容及び配置の変更の範囲、
③その他の事情のうち、
④待遇の性質及び待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、
不合理と認められる相違を設けてはならない。

①②③は、非正社員(「短時間・有期雇用労働者」)と正社員(「通常の労働者」)との「不合理な待遇差」を判断する際に考慮する要素です。この「考慮要素」と④「待遇の性質・目的」から、「不合理な待遇差」か否かが判断されるのです。「待遇差」は、基本給、諸手当、賞与、福利厚生等のすべての待遇について個別に、事業所単位ではなく企業単位で、すべての正社員と比較するとされています。なお、以下では、③「職務の内容及び配置の変更の範囲」は「人材活用の仕組・運用」ということにします。

図表2

この条文は、待遇差があること自体は否定せず、そのうちの「不合理な待遇差」を禁止することで「均衡待遇」の実現を求めるものです。正社員に退職金があるのに、長期間働いてきた非正社員には退職金が全くないことが「不合理な待遇差」とされた裁判例では、退職金のうちの少なくとも「功労報償」部分は支払わなくてはならないといった形で均衡待遇が求められました。

また、結果的にですが、「均等待遇」につながることもありえます。例えば、通勤手当は正社員のみで、非正社員には支給しないことが裁判所で「不合理な待遇差」とされたとすると、損害賠償として不支給分の支払が命じられることになります。このような場合、会社としてそれ以降は、少なくとも勤務日数が正社員と同じ非正社員については、正社員と同じ方法で通勤手当を払う、つまり「均等待遇」にする以外は考えにくくなるということです。

なお、上の条文のもとになった労働契約法の「不合理な労働条件の禁止」を争点とする二つの事件について、最高裁の判決が出ています。パート・有期法への対応を考える上で重要ですので、巻末に参考図表1として概要を掲載しました。また、正社員と非正社員の待遇差に関するその他の注目すべき事件でも、高等裁判所の判決が出ています。こちらは参考図表2として掲載しました。

(2)パート・有期法第9条

この条文は、「差別的取扱の禁止」を定めています。この差別禁止規定が適用される要件は、次の二つです。

①「職務の内容」が通常の労働者と同一
②「人材活用の仕組・運用」が雇用関係が終了するまでの全期間を通じて、通常の労働者と同一の範囲で変更されることが見込まれる

この条文が想定するのは、短時間勤務か有期契約という以外は、職務の内容も人材活用の仕組・運用も正社員と同一という非正社員です。そのような非正社員は、正社員と同一待遇(「均等待遇」)にしなくてはならないとしているのです。

この条文のもとになったパート労働法の「差別的取扱いの禁止」が争点になった事件では、1日の所定労働時間が正社員より1時間短い準社員の貨物自動車運転手について、正社員と「職務内容」は同じで、「人材活用の仕組と運用」に大きな差はなかったとして、賞与の額、退職金の有無で正社員と差を設けていることが差別的取扱いとされました。

パート・有期法では、以前はパート労働者だけが対象だった「差別的取扱いの禁止」規定の対象が有期契約労働者にも拡大されました。この条文の影響は従来より大きくなる可能性があります。上の裁判例のような取り扱いがないかの点検は必要です。

(3)比較対象となる正社員(通常の労働者)

正社員との関係で、均衡・均等のいずれが問われるかは、①「職務の内容」と②「人材活用の仕組・運用」が同じか違うかによります。単純な例として、図表3でみてみます。

図表3

「総合職」のように、①「職務の内容」、②「人材活用の仕組・運用」ともに違う正社員とは、違いに応じた「均衡」のとれた待遇か否かが評価されることになります。①「職務の内容」は同じだが②「人材活用の仕組と運用」が違うなどの一般職の正社員とも「均衡」待遇です。①②とも全く同じ店舗採用の正社員との比較では「均等」待遇になります。

「不合理な待遇差」の解消の場合の比較は、上の例のように「すべての正社員」を対象にしますから、例えば、賞与のない正社員区分を設けて、非正社員に賞与がないことの理由にしようとしても、賞与のある正社員グループとの「均衡」がとれているかが問われることは避けられません。

小テスト1-不合理な待遇差に関する規定

Q1.不合理な待遇差かどうかについて判断する際の考慮要素には「職務の内容」、「人材活用の仕組み・運用」の二つがある。
Yes/No

Q2.正社員と非正社員の間の「待遇差」は、基本給、諸手当、賞与等の全体を比較して判断する。
Yes/No

Q3.正社員と非正社員の間の「待遇差」は、支店や店舗などの非正社員が働いている事業所を単位として比較する。
Yes/No

Q4.パート・有期法の「不合理な待遇の禁止」の規定は、正社員と非正社員には待遇差があることを前提として、そのうちの「不合理な待遇差」を禁止し、非正社員の待遇の向上を図るものである。
Yes/No

小テスト1の解答・解説

2.「ガイドライン」-不合理な待遇差等に関する考え方

ガイドラインの原則的な考え方をご紹介します。ガイドラインは、パート・有期法の施行に向けた待遇差の点検・見直しのためには必見です。待遇ごとに「問題とならない例」「問題となる例」があげられていますが、紙幅の関係で省略します。詳しくは以下をご覧ください。

(1)手当

①条件が同じ場合、次の手当については正社員と同じ支給にしなければならない。

  • 特殊作業手当:同一の業務の危険度や作業環境の場合
  • 特殊勤務手当:交替勤務等の同一の勤務形態の場合
  • 精皆勤手当:同一の業務内容の場合
  • 役職手当:同一の役職の場合
  • 単身赴任手当、地域手当

②原則として、正社員と同一の支給にしなければならない。

  • 通勤手当:出張旅費も同様
  • 食事手当:食事休憩の時間がある労働者に食費の負担補助として支給するもの
  • 時間外労働、深夜労働、休日労働の割増率

③住宅手当、家族手当、退職手当

これらの手当もパート・有期法の均衡・均等待遇の対象ですが、ガイドラインには記述がありません。参考として、関連する裁判例の考え方を掲げておきます。

  • 住宅手当(比較対象の正社員の転勤の有無で不合理か否かの判断が異なります)
    • 転居を伴う配置転換がない正社員に住宅手当を支給し、転居を伴う勤務場所の変更がない非正社員に住宅手当を支給しないのは不合理(巻末の参考図表2.メトロコマース事件東京高裁判決)
    • 正社員は転居を伴う配転が予定されているため、転居を伴う異動がない非正社員よりも住宅費用は多額になる。非正社員に住宅手当を支給しないことは不合理な待遇差とは言えない。(巻末の参考図表1.ハマキョウレックス事件最高裁判決)
  • 家族手当(実態として、どのような性質・目的の手当なのかで判断が異なります)
    • 家族手当は生活補助的なもので、職務内容等に対応して設定されたとは認めがたい。配偶者等がいて生活費が増えるのは非正社員も変わりがないから、非正社員への家族手当の不支給は不合理(参考図表2.井関松山製造所等事件松山地裁判決)
    • 長期雇用システムの下で家族構成等が変化し負担が増減することを前提として、有為な人材の獲得や長期的な貢献を期待して支給するという手当の趣旨から、正社員と非正社員の相違は不合理とは認められない(参考図表2.日本郵便事件(大阪)大阪高裁判決)
  • 退職金(原則、非正社員に支給しないことは不合理な待遇差に当たらないが、長期勤続の非正社員に全く支給しないことが不合理とされた例があります)
    • 長期雇用を前提とした正社員に対して、人材の確保・定着を図るなどの目的で退職金を設け、短期雇用を前提とした非正社員には設けないという制度設計は、人事政策上不合理とは言えない。しかし、有期契約を反復更新して65歳の定年まで10年前後の長期間勤務した非正社員について、功労報償の部分について一切支給しないことは不合理(参考図表2.メトロコマース事件東京高裁判決)

(2)賞与

会社の業績等への貢献に応じて支給するものについては、正社員と同一の貢献がある非正社員には貢献に応じた部分につき同一の支給をしなければならない。貢献に一定の相違がある場合には相違に応じた支給をしなければならない。

(3)福利厚生・教育訓練

以下については、正社員と非正社員を同様に扱わなければならないとされています。

  • 食堂、休憩室、更衣室
  • 転勤者用住宅
  • 慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除・賃金保障:但し、勤務日数が週2日などと少ない非正社員は勤務日の振替で対応し、それが難しいときに限り正社員と同じ扱いにすることは問題とならない。
  • 病気休職:但し、契約期間が例えば1年の非正社員の病気休職期間を1年とすることは問題とならない。
  • 法定外の有給休暇:但し、勤務日数に応じて比例付与することは問題とならない。
  • 教育訓練:但し、職務内容の違いに応じて異なる訓練をすることは問題とならない。
  • 安全管理 同一の業務環境ならば同一に扱わなければならない。

(4)基本給

①能力・経験に応じて支給するもの(職能給)

正社員と同一の能力・経験を有する非正社員には能力・経験に応じた部分について同一の基本給を支給し、一定の相違がある場合は相違に応じた基本給を支給する。

②業績・成果に応じて支給するもの(成果給)

正社員と同一の業績・成果を有する非正社員には業績・成果に応じた部分について同一の基本給を支給し、一定の相違がある場合は相違に応じた基本給を支給する。

③勤続年数に応じて支給するもの(勤続給)

正社員と同一の勤続年数である非正社員には勤続年数に応じた部分について同一の基本給を支給し、一定の相違がある場合は相違に応じた基本給を支給する。

(5)昇給

勤続による能力の向上に応じて行うものについては、正社員と同様に勤続により能力が向上した非正社員には能力の向上に対応した部分について同一の昇給を、能力の向上に一定の相違がある場合には相違に応じた昇給を、という考え方を示しています。

小テスト2-ガイドラインについて

Q1.ガイドラインは、業務の危険度や作業環境が同じならば特殊作業手当は正社員と同じ支給にしなくてはならない、交替勤務があるなど勤務形態が同じならば特殊勤務手当は同じ支給にしなければならない、としている。
Yes/No

Q2.ガイドラインは、精皆勤手当について、勤務日数が少ない非正社員については、支給しなくても不合理な待遇差とはされないとしている。
Yes/No

Q3.慶弔休暇、健康診断の勤務免除と賃金保障は非正社員にも正社員と同一に行わなくてはならない。
Yes/No

Q4.住宅手当、家族手当、退職手当ついては、ガイドラインで言及されていないので、均衡・均等待遇の対象としなくてよい。
Yes/No

Q5.基本給についてガイドラインは、「①能力・経験に応じて」、「②業績・成果に応じて」、「③勤続年数に応じて」支給する場合、①②③に応じた部分が同一ならば同一の支給、一定の違いがあるならば違いに応じた支給を求めている。
Yes/No

小テスト2の解答・解説

3.待遇差の点検と見直し

パート・有期法への対応のための分かりやすい「手順書」※が厚労省から公表されています。手順書に基づいて待遇差の点検・見直しの進め方を概観します。この作業は、パート・有期法が求める待遇差についての「説明義務」を果たす上でも大切です。なお、待遇差が不合理かどうかは、最終的には裁判において判断されますが、経営者の皆様としては、法の趣旨やガイドラインに沿って判断することが大切です。

(1)手当、賞与、福利厚生

①待遇の状況の確認

「手順書」の様式を使った待遇ごとの状況確認について、通勤手当に待遇差がある場合の例でご説明します。待遇差の有無の欄は、イ「待遇差がある」に〇がつきます。次に、「支給の目的」、パート・有期法でいう「待遇の性質・目的」を書き出します。通勤手当の性質・目的は、「通勤に必要な交通費実費を補てんするために支給するもの」でしょう。最後に、待遇差の内容と、待遇差を設ける理由を書きます。例えば、正社員は「交通費実費の全額に当たる定期代を支給」、非正社員には「支給しない」、待遇差を設ける理由は「非正社員は、有期契約で、勤務日数が正社員と異なるため」とします。

図表4-1

②リスト化と不合理性の検討

上のようにして正社員と非正社員の間で差がある待遇を確認した結果をリスト化します(図表4-2)。その上で待遇差について、職務の内容、人材活用の仕組・運用、その他の事情を踏まえ、待遇の性質・目的に照らして「不合理でない」と言えるか、ガイドラインの考え方や具体例などを参考にし、従業員の意見も聞きながら検討します。

図表4-2 待遇差の一覧

待遇の種類

待遇差とその理由

ⅰ 通勤手当

非正社員は、勤務日数等が正社員と異なるため支給していない。

ⅱ 精皆勤手当

非正社員は、勤務日数が正社員より少ないため支給していない。

ⅲ 賞与

正社員は会社の業績への貢献等に応じて1~4か月分を支給するが、非正社員は定型業務に従事し、会社の業績達成への貢献は一定とみなされるので、業績に関わりなく一律1か月分を支給している。

ⅳ 食堂の利用

食堂の施設が狭く、昼の休憩時間に全社員が利用することができないため、非正社員は利用対象外としている。

図表4‐2の待遇差のうち見直した方がよいと思われるのはどれでしょうか。

「ⅰ通勤手当、ⅱ精皆勤手当、ⅳ食堂の利用」は見直しが必要ではないかと思われます。

ⅰ通勤手当:ガイドラインは「通常の労働者と同一の通勤手当を支給しなければならない」としていますし、問題とならない例(正社員は通勤定期代、非正社員には勤務日数に応じた日額交通費)にも当たりません。

ⅱ精皆勤手当:ガイドラインは「業務の内容が同一の短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の精皆勤手当を支給しなければならない」としていますし、問題とならない例にも当たりません(非正社員には欠勤のマイナス査定がないが、正社員は欠勤がマイナス査定になることの見合いで精皆勤手当を支給)。

ⅳ食堂の利用:ガイドラインは「通常の労働者と同一の事業所で働く短時間・有期雇用労働者には、同一の福利厚生施設(給食施設、休憩室及び更衣室)の利用を認めなければならない」としています。

一方、ⅳ「賞与」は、会社の業績等への貢献に応じて支給するものについて正社員と非正社員で貢献に相違がある場合には相違に応じて支給するという、ガイドラインの問題にならない例に近く、見直しはしなくてよいという判断になるのではないでしょうか。

③見直しの検討

見直しは、正社員と同じにするか、差を設ける場合もガイドラインの問題にならない例に沿うものにするのがよいでしょう。例えば、通勤手当なら「正社員と勤務日数が4日以上の非正社員には通勤定期代、勤務日数3日以下の非正社員には勤務日数に応じた日額交通費で支給」といった形です。正社員にだけ設けていた待遇を廃止する形で均衡・均等を図ることは、非正社員の待遇改善を図るというパート・有期法の趣旨からして望ましいとは言えません。また、正社員にとっては労働条件の不利益変更になり、原則として合意が必要であるなどの点でハードルが高くなるので、お勧めできません。

(2)基本給

①手順書による点検の例

手順書では、能力、責任等の基本給の決定要素ごとの重要度を、正社員と非正社員について把握する方法を示しています。正社員と非正社員とでは職務能力や業務の内容・責任など様々な点で違いがあることを反映して、図表5-1のようになったとします。ここから、正社員と非正社員の基本給の決め方に違いを設けている理由を考えるのです。手順書は、職務能力、業務の内容や責任(「職務の内容」)などに関係づけた例文を示しています(図表5-2。括弧書は筆者が追加)。

図表5-1

図表5-2 手順書等があげる基本給の待遇差の理由の例

違いを設けている理由

・正社員はトラブルへの対応や部下を指導する必要があるが、非正社員はそれらを行う必要がない。(業務の責任の違い)
・正社員には月の販売ノルマがあり責任が重いが、非正社員はノルマがない。(業務の責任の違い)
・正社員は幹部候補として職務の内容や配置の変更があり、能力や経験に応じて支給しているが、非正社員は業務の内容や配置の変更がなく、現在の職務の内容に応じて支給している。(職務の遂行能力の違い、人材活用の仕組・運用の違い)

②見直しの検討

基本給については、様々な考慮要素を検討したうえで、正社員の7割から8割の範囲であることは不合理な待遇差とまではいえないとした裁判例がありますが(巻末の参考表図表2の大阪医科薬科大学事件、メトロコマース事件等)、最高裁による確定的な判断は示されていない段階です。非正社員の活用方針をどう考えるかなどによっても正解は異なります。基本給の設計という専門性の高い問題でもあるのです。

ご参考までに、厚生労働省「職務評価を用いた基本給の点検・検討マニュアル」※が示している基本給の見直し設計の例を挙げておきます(図表6-1)。正社員については職務遂行能力の程度に応じて決定される「職能給」、非正社員については職務の拡がりやスキルの伸びに応じた「職務給」というわが国では一般的な基本給の組み合わせにしたうえで、非正社員の職務・役割等級の上位部分を正社員の職能等級と対応させることで、基本給の均等・均衡を図るようにしています。

待遇の均衡・均等を判断するための考慮要素には、①「職務の内容」、②「人材活用の仕組・運用」があることは繰り返し触れてきましたが、「マニュアル」は、社員1人1人について、「①職務の内容」の重要度(横軸)と、②「人材活用の仕組・運用」を反映した時間賃率(縦軸)を組み合わせた基本給の分布から均衡・均等の状況を確認する「職務評価」の手法を取っています。図表6-1のような基本給の場合は、図表6-2のような分布になるように非正社員の給与等級を設計します。正社員(×)と非正社員(●)の分布を集約した線(回帰線)の傾きが正社員と非正社員でほぼ同じであることで「均衡」が図られているということができ、職務の重要度が同一の場合(緑丸の部分)では「均等」も確保されているといえます。非正社員の役割等級を正社員の職能等級と対応させない場合は、図表6-3のような分布で「均衡」を図るように設計することになります。

図表6-1
図表6-2
図表6-3

出所:厚生労働省「職務評価を用いた基本給の点検・検討マニュアル」

小テスト3-待遇差の点検等

Q1.不合理な待遇差かどうかは最終的には裁判において判断されるものなので、社内の待遇差が不合理なものかどうかについては、使用者が判断する必要はない。
Yes/No

Q2.厚生労働省の「取組手順書」は、正社員と非正社員との待遇差の点検の進め方について、待遇ごとに、待遇差の内容と待遇差を設けている理由を書き出し、リスト化することを勧めている。
Yes/No

Q3.会社の業績への貢献等に応じて支給している賞与について、正社員は評価に応じて1月~4月分を、定型業務に就いている非正社員は貢献が一定なので一律1か月支給の支給としている。このような待遇差は見直しの必要はない。
Yes/No

Q4.非正社員は勤務日数が少ないことから通勤手当を支給していなかったが、ガイドラインで同一の支給にしなければならないとあったので見直すことにした。正社員には 1 か月分の通勤定期代を支給しているので、非正社員も通勤定期代で支給しなければならない。
Yes/No

Q5.待遇差の見直しの方法として、例えば、正社員にだけ支給していた手当を廃止する方法をとることについては、法律上の問題はない。
Yes/No

小テスト3の解答・解説

4.待遇差についての非正社員への説明

パート・有期法では、雇入れ時の賃金、教育訓練、福利厚生等の雇用管理上の措置の説明の加えて、雇い入れ後に非正社員からの求めがあれば、正社員との間の「待遇差の内容」や「待遇差の理由」について説明することなどが義務化されました。なお、待遇差の内容等について説明を求めた非正社員に不利益な取扱いをすることは禁止されています。

(1)説明の際に比較する正社員

比較対象の正社員を選ぶ際の考え方は、「より近い方から選ぶ」です。単純な例でみると、図表3(再掲) の(ⅲ)の正社員がいれば(ⅲ)、(ⅲ)がいなければ(ⅱ)、(ⅱ)がいなければ(ⅰ)が比較対象になります。「不合理な待遇差」の解消が争点となる場合、対象になるのは全ての正社員でしたが、説明義務の比較対象は、これとは違い、職務の内容等が最も近いと事業主が考える正社員との違いを説明すればよいとされています。なお、どの正社員と比較するか、その正社員を選んだ理由は何かも説明しなくてはなりません。

図表3(再掲)
図表3(再掲)

(2)説明すべき事項

①待遇差の内容

正社員と非正社員の待遇の個別具体的な内容、待遇の決定基準の有無を説明する必要があります。待遇差の内容は、基本給なら平均額やモデル基本給額、手当なら標準的な内容等を説明します。待遇の決定基準により説明する場合は、例えば賃金であれば、賃金規程、賃金等級表の支給基準を説明します。「賃金は各人の能力、経験等を考慮して総合的に決定する」といった抽象的説明では十分ではありません。

②待遇差の理由

「職務の内容」、「人材活用の仕組・運用」、「その他の事情」に基づき「待遇の性質・目的」に照らして説明する必要があります。同じ決定基準であるときは、待遇差が生じる理由を、例えば能力給ならば能力レベルが異なるためといった形で説明します。決定基準が異なる(例えば、正社員は職能給、非正社員は職務給)ときは、決定基準が違う理由を、「職務の内容」「人材活用の仕組・運用」の違いなどから説明します。

(3)説明の仕方

説明に当たっては、非正社員が説明内容を理解することができるよう、就業規則、賃金規程、正社員の待遇の内容を記載した資料等を使って口頭で説明することが基本です。説明すべき事項をわかりやすく記載した文書を渡す方法でも差し支えないとされており、「手順書」には「説明書モデル様式」が紹介されていますが、ここでは、前節の待遇差の検討結果を書き出した表を補正したものでの説明例を示します(図表7)。

説明について非正社員が納得しないとしても、説明義務は果たしたことになりますが、パート・有期法の規定やガイドラインの考え方などからみて問題があるような説明では、紛争になった場合のリスクは高いでしょう。仮に不合理な待遇差に該当すると思われる状態で説明せざるを得ない場合は、これからの改善方法等を丁寧に説明することなどで紛争にならないようにすることが望ましいのではないでしょうか。問題を生ずることなく説明義務を果たす上でも、パート・有期法が施行される前までに、待遇差の点検と見直しをしておくことが必要です。

図表7(図表4-2の一部修正) 待遇差の理由・説明

比較対象の正社員:販売部門の一般職の正社員(おおむね勤続3年程度の者)

比較対象の選定理由:業務の責任の程度や人材活用の仕組・運用が同一の正社員はいないが、非正社員と同じ販売業務に従事し、同程度の能力を有する者が勤続3年程度のものであるので。

待遇の種類

待遇差とその理由

①基本給

・能力・経験に応じて支給
・非正社員の時給は1,100円。比較の対象になる正社員は時給換算で平均1,300円。
・正社員はトラブルへの対応や部下を指導する必要があるが、非正社員はそれらを行う必要がない。正社員には月の販売ノルマがあり責任が重いが、非正社員はノルマがない。

②通勤手当

・通勤に必要な費用を補填するために支給
・非正社員は、勤務日数が少なく、職務の内容も異なるため支給していない。(×不合理な待遇差に該当する恐れ)
↓見直し後の内容での説明例
正社員と勤務日数が4日以上の非正社員には通勤定期代、勤務日数3日以下の非正社員には勤務日数に応じた日額交通費で支給する。

③精皆勤手当

・業務に支障が生じないよう、社員の出勤数を確保するため支給
・非正社員は、勤務日数が正社員より少ないため支給していない(×不合理な待遇差に該当する恐れ)
↓見直し後の内容での説明例
 所定勤務日数を皆勤した場合に雇用区分に関係なく支給する

④賞与

・会社の業績への貢献に応じて支給
・正社員は、人事評価に基づく業績への貢献に応じて1~4か月分を支給するが、非正社員は定型業務に従事し、業績達成への貢献は一定とみなされるので、業績に関わりなく一律1か月分を支給している。

⑤食堂の利用

・昼の休憩時間に食事をとる便宜を図るため設置
・食堂が狭く、休憩時間に全社員が利用できないため、非正社員は利用対象外としている。(×不合理な待遇差に該当する恐れ)
 ↓見直し後の内容での説明例
・昼休憩時間をシフト分けし、社員全員が利用できるようにする。

小テスト4-非正社員への説明

Q1.非正社員から正社員との間の「待遇差の内容」や「待遇差の理由」について説明を求められた。比較の対象にする正社員は、すべての正社員である。
Yes/No

Q2.「待遇差の内容」の説明は、個別具体的な内容で説明する場合は、基本給なら平均額やモデル基本給額、手当なら標準的な内容等を説明しなくてはならない。「待遇の決定基準」により説明する場合は、「賃金は各人の能力、経験等を考慮して総合的に決定する」といった説明でよいとされている。
Yes/No

Q3.「待遇差の理由」の説明は、待遇の決定基準が同じか違うかで説明の仕方を分ける必要がある。同じ決定基準の下で待遇差が生じている場合は、例えば能力給の基本給ならば能力の違い、業績・成果給ならば業績・成果の違いといった形で説明する。
Yes/No

Q4.待遇差の説明では、非正社員が説明に納得できない場合は、説明義務を果たしたことにならない。
Yes/No

小テスト4の解答・解説

5.行政による紛争解決支援、企業の取り組みのサポート等

(1)行政による紛争解決支援

正社員との待遇差などに関する問題は、企業内での解決が望ましいものですが、紛争になる場合もありえます。パート・有期法は、都道府県労働局長の助言・指導や、都道府県労働局内に設けられた調停機関での解決という仕組みも用意しています。

①助言・指導:簡易な手続きでの行政機関による解決

紛争の当事者である事業主または非正社員の申し立てがあれば、当事者双方から事情を聴き、必要な場合は当事者の了解を得た上で第三者から事情を聴き、助言、指導など、その問題にふさわしい方法で解決を支援します。申し立ては、口頭(電話も可)、連絡先を記載した書面の提出のいずれでもできます。

②調停会議による調停:裁判所以外の公正・中立な第三者機関での解決

調停申請書を都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に提出して受理されると調停が開始されることになります。調停会議は非公開で開催し、当事者の意見を聴くほか、必要に応じて関係労使代表者の意見聴取や、同じ事業所の社員その他の参考人からの意見聴取を行った上で、調停案を作成して受諾を勧告します。

(2)キャリアアップ助成金

非正社員の待遇の改善というパート・有期法の趣旨に沿った見直しをするとすれば、待遇改善のための原資が必要になります。こうしたコストアップは、会社の生産性の向上等を通じて吸収しなくてはなりませんが、初期的な原資の一部について公的助成金を利用することも考えられます。

厚生労働省は、非正社員の待遇改善の取組等を行った企業に対して「キャリアアップ助成金」を支給しています。同一労働同一賃金関連では、例えば次のコースがあります。

  • 「賃金規定等改定コース」: すべて又は一部の非正社員の基本給の賃金規定等を増額改定し昇給した場合に支給。支給額は、すべての非正社員で2%以上の増額改定の場合、対象労働者数が11人から100人では、1人当たり28,500円(生産性向上要件を満たした場合36,000円。以下、()付の金額は生産性要件のもの)、職務評価手法(下記(3)支援機関等参照)を活用した場合は1事業所19万円(24万円)の加算など。
  • 「賃金規定等共通化コース」: 非正社員に関して正社員と共通の職務等に応じた賃金規定等を作成し適用した場合に支給。支給額は1事業所57万円(72万円)、対象労働者1人当たり2万円(2.4万円)加算(上限20人)など。
  • 「諸手当制度共通化コース」: 非正社員に関して正社員と共通の諸手当制度を新たに設け適用した場合に支給。支給額は1事業所38万円(48万円)、対象労働者1人当たり1.5万円(1.8万円)加算、共通化した諸手当数1つ当たり16万円(19.2万円)加算など。なお、対象労働者は20人が上限、対象手当は10手当が上限です。
  • キャリアアップ助成金のご案内

(3)支援機関等

同一労働同一賃金は働き方改革関連法の中でも取り組みが難しい課題です。企業の実情により正解のあり方も一様ではありません。企業における取り組みをサポートする機関として「働き方改革推進支援センター」が47都道府県に設置されています。

第3節の図表6-2、図表6-3で簡単にごく簡単に触れた「職務評価」の手法については、厚生労働省が、職務評価に関するセミナーの開催や専門知識を持った「職務評価コンサルタント」の無料派遣を行っています。

中小企業庁では「よろず支援拠点」を47都道府県に設置し、多岐にわたる分野の専門家が中小企業の経営上のさまざまな悩みに適切な解決策を提示します。働き方改革や人事労務管理の専門家でもある「人手不足対応アドバイザー」も配置しています。

小テスト5-行政による支援等

Q1.都道府県労働局長の助言・指導は、書面により申し立てなくてはならない。
Yes/No

Q2.厚生労働省は、非正社員の待遇改善の取組等を行った企業に対して「キャリアアップ助成金」を支給している。同一労働同一賃金関連では、例えば、「賃金規定等改定コース」、「賃金規定等共通化コース」、「諸手当制度共通化コース」がある。
Yes/No

小テスト5の解答・解説

(参考資料・本文中にURL記載のもの以外)

(参考図書等)

  • 水町勇一郎著「同一労働同一賃金のすべて」(有斐閣、平成30年2月)
  • 「労働判例」各号(産労総合研究所)
  • 「労働経済判例速報」2352号(経団連事業サービス)
  • 「ビジネスガイド」2019年5月号、6月号、7月号(日本法令)

参考図表1.不合理な待遇差に関する最高裁判決

以下にあげられるような待遇差を設けていないかという観点からご覧ください。 

ハマキョウレックス事件(最高裁平成30年6月1日判決、労働判例1179号)

不合理な待遇差の判断にあたっての考慮要素

①職務の内容(業務の種類+責任の程度):正社員と同じトラック運転業務
②人材活用の仕組・運用:正社員は出向を含む広域異動、等級役職制による登用の可能性があるが、非正社員は就業場所の変更、広域移動、登用の可能性なし
(3)その他の事情:待遇差を設けることの不合理性を否定するような事情はない
以上を「待遇の性質・目的」に照らして判断

・作業手当(違法)非正社員に支給しないことは不合理な待遇差に当たる
 *待遇の性質・目的:特定の作業を行った対価として、作業そのものを金銭的に評価して支給するもの。
 *職務の内容が同じなので、作業が異なることはない。人材活用の仕組・運用の違いは、作業の金銭的評価に関係しない。

・皆勤手当(違法)非正社員に支給しないことは不合理な待遇差に当たる
 *待遇の性質・目的:業務を円滑に進めるためには一定数以上の運転手の確保が必要なので、出勤を奨励する趣旨で支給。
 *出勤確保の必要性は、契約期間の定めの有無、人材活用の仕組みの違いに関係しない。

・無事故手当(違法)非正社員に支給しないことは不合理な待遇差に当たる
 *待遇の性質・目的:優良運転手育成や安全輸送による顧客の信頼獲得の目的で支給。
 *職務内容が同じなので、安全運転と事故防止の必要性は正社員と非正社員間で変わりはない。人材活用の仕組・運用の違いは、安全運転などの必要性には関係しない。

・給食手当(違法)非正社員に支給しないことは不合理な待遇差に当たる
 *待遇の性質・目的:勤務時間中に食事を取る労働者に食事補助として支給するもの。
 *職務の内容が同じで、勤務形態に違いはない。人材活用の仕組・運用の違いは、勤務時間中に食事を取る必要性とは関係しない。

・通勤手当(違法)同じ交通手段・距離に対して正社員と非正社員の支給額に差を設けることは不合理な待遇差に当たる
 *待遇の性質・目的:通勤に必要な交通費実費を補てんするために支給するもの。
 *労働契約の期間の定めがあるかないかで費用が異なるものではない。人材活用の仕組・運用が異なることも費用の多寡とは関係ない。

・住宅手当(〇)非正社員に住宅手当を支給しないことは不合理な待遇差とは言えない
 *待遇の性質・目的:住宅に要する費用を補助するため支給するもの。
 *正社員は転居を伴う配転が予定されているため住宅費用は、転居を伴う異動がない非正社員よりも多額になりうる。

長澤運輸事件(最高裁平成30年6月1日判決、労働判例1179号)

①職務の内容(業務の種類+責任の程度):運転業務。正社員と同じ。
②人材活用の仕組・運用:勤務場所、担当業務の変更あり。正社員と同じ。
③その他の事情:定年後に再雇用されたことや、公的年金制度、労使交渉の状況など職務内容に関連しない事情を含めた幅広い事情を検討。この判決の特色となっている。

・違法 精勤手当の不支給と同手当が時間外手当の計算から除かれたこと
・適法 定年後再雇用の非正社員の賃金が定年前と比較して2割前後減額されたことと住宅手当、家族手当、賞与、役職手当の不支給

参考図表2.待遇差に関する主要な裁判例(<>は最高裁判決)

同一または類似の名称の待遇であっても、裁判所により判断が異なる場合があるのは、「職務の内容」、「職務内容・配置の変更の範囲」、「その他の事情」や「待遇の性質・目的」、比較対象とする正社員が事件ごとに一様ではないためとお考えください。

参考図表2.待遇差に関する主要な裁判例

※手当については、上記以外にも、日本郵便3事件で8種類の手当についての判断が示されていますが、郵便事業特有の手当もあり、省略しました。

※事件名等(ハマキョウレックス事件、長澤運輸事件は本文に記載)
 日本郵便事件(佐賀)(福岡高裁平成30年5月24日判決、労働経済判例速報2352号)
 日本郵便事件(東京)(東京高裁平成30年12月13日判決、労働判例1198号)
 日本郵便事件(大阪)(大阪高裁平成31年1月24日判決、労働判例1197号)
 学校法人産業医科大学事件(福岡高裁平成30年11月29日判決、労働判例1198号)
 大阪医科薬科大学事件(大阪高裁平成31年2月15日判決、労働判例1198号)
 メトロコマース事件(東京高裁平成31年2月20日判決、労働判例1199号)
 井関松山製造所事件、井関松山ファクトリー事件(高松高裁平成31年7月8日判決、2019年9月現在、判例雑誌未掲載、松山地裁平成30年4月24日判決、労働判例1182号)。

解説者

事務所:のむら社会保険労務士事務所
資格:特定社会保険労務士
氏名:野村孝太郎