中小タスクが行く!

第7回:クラウドソーシング活用編

2019年 6月 17日

第7回:クラウドソーシング活用編 経営のお悩みスバッと解決 中小タスクが行く!

ちょっとした業務を外注したい!
それなら、クラウドソーシングを活用しよう!

シロザキ製菓の新商品説明会。バイヤーからの評判は上々。皆「おいしい。おいしい。」と食べている。「ではたくさん仕入れてください」とお願いするシロザキ社長に対し、バイヤーが「ただね、パッケージデザインが可もなく、不可もなく」とパッケージに対する評価は低い。そのことを社内のデザイナー部長に報告するシロザキ社長。「じゃあ人を増やしてくださいよ。仕事が多すぎて社内のデザイナーじゃ対応できません。」ときっぱり宣言するデザイン部長。「どこかにいいデザイナーはいないかな」とため息をつきながらシロザキ社長が街中を歩いていると、有名なグラフィックデザイナーの展覧会が目に入る。ミュージアムショップをのぞくと。デザイナーがデザインした奇抜なネクタイが売られていた。これは奇抜だなとたじろぐシロザキ社長に「それいいですよね」と声をかけてきたのは、そのネクタイを買って早速締めている中小タスクだった。そして「クラウドソーシングを活用してみては」と提案してきた。

使ってますか? クラウドソーシング

クラウドソーシングとは、インターネット上で不特定の人に向かって業務内容や報酬を提示して、仕事を発注する手法のこと。ネットを使った、新しいタイプのアウトソーシングとも言えます。

発注者は主に一般企業。プラットフォームとなるマッチングサイトに、アウトソーシングしたい業務を「公募」します。公募なので、必要なときに、社外の非常に幅広い候補から、その仕事に合った人材を迅速に選択できるというのが特長です。発注者は仕事が完了した後に、成果物を検収し、マッチングサイトを通じて報酬を支払います。

【クラウドソーシングのイメージ】

クラウドソーシングのイメージ

受注者層は幅広く、従来は企業が直接アクセスすることが難しかった学生、主婦、シニア層などにも、仕事を発注することが可能となります。あるマッチングサイトの運営会社によると、他にも、副業を求める正社員・契約社員・派遣社員などが、受注者として多数登録していることがわかっています(※以下のグラフ参照)。

【クラウドソーシングの利用者分布・ワーカーの属性の割合】

クラウドソーシングの利用者分布・ワーカーの属性の割合
『クラウドワークス株式会社「クラウドソーシングの利用者分布(正社員や主婦等)、希望収入や興味分野 についてアンケート調査まとめ(2016年)」より編集・加工』

一方の受注者からすると、クラウドソーシングを利用することで、時間や場所に拘束されず、自宅などで都合のよい時間に、自分の能力に合った仕事を選択して収入を得ることができるというメリットがあります。

このように、発注者と受注者の双方に、従来の業務委託にはなかったメリットがあるため、クラウドソーシングの利用者は、今後はさらに増加すると考えられています。

ちなみに、総務省が発表した平成30年版の情報通信白書によると国内においてクラウドソーシングで仕事を受注する人の数は、推定150万人程度。

クラウドソーシングのマッチングサイトに掲載されている仕事例としては、以下のようなものが挙げられます。

【クラウドソーシングサイトに掲載されている仕事例】

仕事内容

仕事内容の一例

1.ウェブ開発関連

ウェブ開発、スマホアプリ開発、ソフトウェア開発、ECサイト制作等

2.ウェブデザイン関連

ホームページ作成、バナー作成、ウェブデザイン等

3.サーバ・システム開発関連

サーバ構築、基幹システム開発等

4.デザイン関連

ロゴ作成、キャラクター作成、イラスト作成、名刺作成、チラシ作成

5.ライティング関連

記事作成、ブログ記事作成、キャッチコピー、ネーミング等

6.画像・動画加工関連

画像加工、写真加工、動画制作等

7.作業関連

データ入力、テキスト入力、データ収集、テープおこし等

8.上記にないその他の仕事

上記にないその他の仕事

(出典)「2014年版中小企業白書」

中小タスクいわく、クラウドソーシングとはインターネットを活用して、発注者と受注者を繋ぐ新たな雇用形態で、全国のクリエイターからアイデアを出してもらい、そこから発注先を選ぶことも可能。自社ではカバーしきれない業務の一部を切り分けて発注できるので、人手不足でも新たな人材をなかなか採用できない中小企業の救世主たりえるとのこと。それを聞いてシロザキ製菓でもクラウドソーシングで早速募集をかけてみたところ、多種多様なデザインの提案が集まり、社内も活気づく。そして、採用した新たなデザインでパッケージを作り、再びバイヤーにお披露目したところ、どれも大評判。ただし、中小タスクが一推ししていたパッケージだけは、あまりの奇抜さに皆、ドン引きしてしまったのであった。

3つの発注スタイルを使い分けよう

いざ、「クラウドソーシングで仕事を発注してみたい!」となった場合、
どんな点に留意すればよいのでしょうか?

国内には現在、多数のクラウドソーシングのマッチングサイトが存在しますが、サイトには、幅広いジャンルの仕事を取り扱う「総合型」と、Web関連やデザインなどの特定ジャンルに特化した「ジャンル特化型」があります。まずは、あなたが発注したい業務をどちらのサイトで公募すべきかを、見極めることから始めるとよいでしょう。


サイトを決めたら、どのようなスタイル(型)で発注するかを、サイトの運営会社と一緒に決めていきます。今回のマンガでは、「コンペティション型」の発注についてご紹介しましたが、クラウドソーシングには、このコンペ型を含めて、主に次の3つの発注型があります。

プロジェクト型
一人もしくは複数の方と契約して、段階的に制作を進めていくスタイルです。制作中に何度かチェックしたり、修正依頼をしたい場合に適しています。

〈仕事の例〉
Webサイト制作/スマートオンアプリ制作/バナー制作など

コンペティション型
多くの方に依頼して、複数の提案・作品の中から気に入ったものを選びます。ロゴのデザイン案など、多くのアイデアを集めたいときに使いやすいスタイルです。

〈仕事の例〉
ロゴデザイン/キャッチコピー/リニューアルデザイン、チラシ作成など

マイクロタスク型
多数の方にお願いして作業してもらうスタイルです。データ入力作業など、単純で数が多い仕事を依頼するときに向いています。

〈仕事の例〉
データ入力/データ収集/記事・コンテンツ作成など

発注者は業務の特徴によって、それぞれの発注の型を使い分けることで、目指す成果を効率的に手にすることができます。


問題点を認識して、安全な活用を!

従来の発注方法では得られなかった、多くのメリットがあるクラウドソーシング。とはいえ、まだ新しい手法であるため、さまざまな課題があることも事実です。
例えば、発注者側で進捗管理をすることが難しいため、発注内容が不明確だと、互いの認識がずれて、作業の手戻りやコスト増につながる恐れがあります。

また、受注者によるアイデア盗用(著作権侵害)や、情報流出のリスクも指摘されています。 クラウドソーシングを利用する場合は、こうしたことも考慮に入れた上で、発注内容が具体的で、機密情報を含まない業務などから発注していくとよいでしょう。

クラウドソーシングで新たな世界が広がります。

利用のポイントを理解した上で、クラウドソーシングを活用して、 あなたの会社の負担をどんどん軽くしていってください!

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