業種別開業ガイド

バイク便

  • ビジネスにおいて至急で書類や資料を届けることが必要な場合が出てくるが、宅急便では最低でも1日かかる、直接運ぶ人がいない、いてもタクシーでは交通渋滞のために時間がかかるといった理由でバイク便を利用する事業所がある。とくに、原稿やデータ、フィルムを大急ぎでやり取りする必要のある広告代理店や出版社、写真現像所での需要が大きい。
  • バイク便の中小業者は、直接開拓した顧客企業からの注文のほか、大手業者や宅配業者の下請として仕事をこなしていることも多い。

1.起業にあたって必要な手続き

バイク便事業を営む場合は、貨物自動車運送事業法第36条に基づき運輸支局長に届け出をする必要がある。

申請先:出店地の住所を所管する地方運輸局貨物課

必要書類

貨物軽自動車運送事業経営届出書
事業計画の内容
添付書類
事業用自動車の運行管理体制を記載した書面
主たる事務所、営業所、車庫、休憩睡眠施設の見取り図および平面図
(平面図には寸法および面積の算出式を記入)
自動車車庫の使用権限を有する書面
(自己所有の場合には登記簿謄本、借り入れの場合は賃貸契約書等)
自動車車庫について、都市計画法等関係法令に抵触しない旨の宣誓書
運送約款

2.起業にあたっての留意点・準備

●経営形態には2つのタイプがある。

独立型:
営業ノウハウや資金などの開業準備に努力を要するが、努力が実れば高収益が期待できる。
FC型:
加盟料やロイヤルティーが必要であるが、フランチャイザーの運営ノウハウ、宣伝力、ネームバリューを利用できる。

●ライダーの契約形態には、時給制と歩合制の2種類がある。

時給制:
荷物の引受料金がいくらであろうと、決まった時給をライダーに支払う。そのため、通常料金の荷物を運ぶことが多い場合に採用すると効率的である。
歩合制:
荷物の引受料金に歩合をかけた金額をライダーに支払う。同業他社との価格競争で安く引き受ける場合や、大手からの下請で単価の安い仕事を引き受けることが多い場合に採用すると効率的である。

●車両を購入して固定資産を増やしたくない場合には、ライダーに自保有の車両を使用してもらう方法が考えられる。この場合には、車両持ち込み手当や、ガソリン代の実費支給が必要となる。

3.必要資金例

バイク3台(自社保有)、ライダー3名(時給)、事務職2名の店を開業する場合の必要資金例
(単位:千円)

創業に必要な資金項目と金額を例示した表

4.ビジネスプラン策定例

●初年度売上計画例(バイク3台、事務職2名)
(単位:円)

年間売上計画を例示した表

●モデル収支
(単位:千円)

初年度から5年目までの損益計画を例示した表

●初期投資回収 5年度

* 売上計画やシミュレーション数値などにつきましては、出店状況によって異なります。また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。

最終内容確認日2014年2月