業種別開業ガイド
インテリア用品店
- インテリア用品店で取扱う商品は、家具、日用品、手芸工作用品、文具、アクセサリー、園芸用品、家電製品など多岐にわたっており、国産製品や輸入製品も含め、流通商品のアイテムは膨大な数となっている。
- これからのインテリア用品店は、単純な室内装飾品の販売店ではなく、ライフスタイル演出をリードしながら季節ごとに需要開発を行なったり、「ゆとり」「くつろぎ」「健康」「ナチュラル」「快適」といったテーマを持った販売方法を確立することが安定経営を生み出すと考えられる。
- サービスを充実させるためには、カラーコーディネータやインテリアコーディネーターをスタッフに加えたり、顧客の望むイメージをパソコンの画面上で具体化できるパソコンソフトを導入するなど、専門的な顧客へのアドバイスができる店舗づくりをしておくことが望ましい。さらに建築設計事務所や内装工事店、装飾業者とタイアップするのもよい方法である。
1.起業にあたって必要な手続き
- インテリア用品店の開業については一般に規制されるべき法規はなく、販売資格も不要で自由開業が原則である。一般の開業手続きとして、税務署への開業届、また、 雇用形態により社会保険事務所や労働基準監督署への諸手続きを行なう。詳細については、最寄りの管轄に問い合わせるとよい。
- ただし内装工事を伴う業態活動については、その工事の規模に応じて「建設業」の許可が、また、高額商品などの下取り販売システムを採用する場合には、その活動状況に応じて「古物商」の許可が必要となる。
2. 起業にあたっての留意点・準備
- インテリア用品店は住宅地域に隣接した場所での開業が望ましい。住宅地域の性格に応じてインテリア用品の需要状況が異なるため、開業にあたっては周辺にどのような住宅が多いのかをよく調査し、その性格に適応した商品構成や販売方法、サービス体制を整えるようにする。
- インテリア用品は季節の変化や流行などにより新製品が数多く発表されるため、季節遅れや流行遅れの在庫を抱えてデッドストック化させる危険性も多く含まれている。したがって開業当初から綿密に商品計画リストを作成し、売れ筋商品や活き筋商品が早急に把握できるような体制を作っておくことが望ましい。
- 店先に並べきれない在庫などはカタログなどにまとめたり、パソコンでデータベース化し、これらを顧客に示すことによって陳列していない商品の販売を可能にしたり、後の仕入れ活動につなげることが望ましい。
- インテリア用品は陳列商品の形状や重さ、色彩など種々雑多であり、季節による入れ替わり商品も多い。したがって店舗設備としての陳列台やケースなどは固定的にせず、陳列台は棚の高さが容易に変更できたり、ケースなどもキャスター付きのものを採用して、陳列配置が移動しやすくして置くことが好適である。また、流動的な構造の什器備品で、時折店内のイメージチェンジを図るようにするのも顧客に対しては大きな販売促進要因となる。
- 自店に適応した業界団体に積極的に加入して各種の展示会や新製品情報など入手できる仕組みを作っておくことが望ましい。
- 必要売上高の算出は[(生活費+雇用人件費+営業費+目標利益)÷粗利益率]で概算が把握できる。毎月の必要売上高を認識しながら店舗運営を行なうとよい。
- 開業にあたっては企画書の策定段階で地域の商工会・商工会議所・中小企業振興公社などの相談部に行き、チェックしてもらうとよい。
3. 必要資金例
郊外住宅地域に近い最寄型商店街、15坪借店舗
(単位:千円)
4. ビジネスプラン策定例(モデル収支例)
●初年度売上計画例(店舗面積:約15坪)
(単位:日商・客単価は円、年商の単位は千円)
●モデル収支例
- ※上記初年度の店内販売のほかに、外商活動による販売を年6,000千円見込む。
(単位:千円)
* 売上計画やシミュレーション数値などにつきましては、出店状況によって異なります。また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。
最終内容確認日2014年2月